HASSEL BLAD 503CX 真四角な写真
真四角写真に挑戦してみよう。
はじめに
真四角の写真と言えば、6*6フォーマットと言われる、今回紹介するハッセルやローライが有名です。今回はハッセルブラッドについてお話しできればと思います。
使うフィルムは中判フォーマット
現在、デジタルカメラで言われるフルサイズのフォーマットは、フィルムで言うとライカ版と言われる縦横が24mm36mmのフォーマットが基本になっています。フィルム時代は、それよりも大きな縦60mmで画面サイズがカメラによって異なる120フォーマットというのがあり、中判とも言われていました。今回紹介するハッセルブラッドはこの120フォーマットでフィルム1本あたり56mmの正方形写真が12枚撮れるフォーマットになっています。
左右逆になる逆像ファインダー
ハッセルブラッドは一眼レフカメラですが、現代のカメラのようなプリズムガラスや、ミラーレスではなく正に反射ミラーで、レンズに写っている画像をファインダーで確認するので、ファインダーに見えている絵は逆像になっています。動きと逆にファインダーに見えているので、使い始めは気持ち悪いかもしれませんが直ぐ慣れると思います。
一眼レフカメラで、レンズを交換出来るので、広角から、望遠までレンズの種類があり、レンズはカールツァイスのレンズになるので、写りは非常に良いです。
有名なのは、プラナー80mm/F2.8の標準レンズ(フルサイズのフォーマットで50mm相当)で私はこのプラナーを基本にディスタゴン60mm/F3.5やマクロプラナー120mm/F4、ゾナー180mm/F4などのレンズも使います。
元祖チルト液晶、上から覗いて撮る楽しみ
ハッセルやローライの特徴に、ファインダーを上から覗く、ウエストレベルファインダーの形になります。私はこの上からファインダーを覗いて写真を撮るという行為が楽しくてハッセルやローライを使っているようなところがあります。特に、ハッセルのウエストレベルファインダーに映る綺麗な被写体を見るだけでも感動します。
多少面倒ですが慣れると楽しい
フィルムの装填から取り出し、レンズ交換など使用方法に少し儀式的な要素がありますが、そのあたりは慣れてしまえばそれほど問題ではありません。今回、技術仕様や使用方法は割愛しますが、ネットを調べれば山ほど出て来ますので興味を持たれたら調べてみる事をおすすめします。
フィルム写真を楽しむという話なので、カメラのスペックやレンズ、細かな説明などは割愛しています。ハッセルの写真の特徴に、撮った写真のフレームの左側に、2つのクサビのような後があります。これはフィルムを送る際、フィルムを抑えるノッチの後が撮影した写真のフレーム内に出てくるのですが、このノッチの後がある事で、ハッセルで撮った写真という事が直ぐ分かります。(トリミングをしない前提ですが)
1.KODAK Portra400
カラー写真を撮る際。Portraは定番です。柔らかいトーンなので、女性のポートレートなんかを撮るイメージがあります。高性能フィルムで、浅草の雷門の提灯の赤もしっかりと出ています。この写真はフィルムをスキャンしたものですが、実際にプリントすると補正がかかり、暖色側に色がシフトします。フィルムはシアン寄りの寒色系で撮れているのはスキャンして気がつきました。
2.KODAK Portra160
こちらはPortra160で400より、高画質で粒状性に優れたフィルムですが、私自身はあまり高画質を求めていないところがあり、400に比べて使う機会は少ないです。発色は400よりもコッテリと乗るので、色を出したい時などに使う感じです。この写真のお店の看板の赤が少し寒色系(シアン寄り)になっていますがPortra独特の色合いになっています。
真四角の写真の面白さに、構図上直線を入れると面白い絵になります。これは単純に上に煽って壁のコーナーをセンターに配置している写真ですが、良くあるお店の看板を煽って撮っても雰囲気が出るのはこの真四角な写真のおかげです。
3.FUJI Pro400H
こちらはFUJIのPro400Hというフィルムで、KodakのPortraと双璧を成すフィルムになります。
基本は人物の写真を撮るのに適したフィルムですが、特徴に彩度が低めになっていて、プリントでフィルターを使って色を乗せていく正にプロが仕事で撮った写真を仕上げる事が前提になったフィルムになります。
割と強めの光より、少し弱いくらいの光の方が、色が綺麗に出るフィルムです。
フィルムで写真を撮ると、デジタルではあまり考えない要素が写真に出て来ますので、写真に対する理解が変わって来ます。
4.FUJI Provia100
上記3枚の写真は全てカラーのネガフィルムですが、こちらはリバーサルフィルムになります。
ライカの項で簡単に説明していますが、リバーサルフィルムは色が正確で、デジタルに近い写りをしています。
この写真に使った、 Provia100ですが、保存状態が悪く購入して時間が経っていたので、フィルムが劣化して被っています。左右のフレームの枠が白くなっているのがその被りになります。リバーサルフィルムを使うならしっかり冷蔵庫に保管することを再確認しました。
5.KODAK T-MAX100
ここからはモノクロ写真になります。
T-MAXはシャープネスも高くしっかり解像し、ダイナミックレンジも広く、モダンな写りをします。
この写真は、撮影も現像もストレートで、現像液はR09(Rodinal)を使っています。
6.KODAK Tri-X 400
最後は王道のTri-X400になります。
この写真は、Tri-X400をPull200(ISO200で撮影して、ISO200の現像)で現像しています。
確か、絞りも開放にして撮ったので非常に柔らかい印象の写真になっています。
私は、Tri-X400の減感のトーンが大好きで、良く使います。この写真もR09(Rodinal)で現像しています。
おわりに
ハッセルブラッドでフィルム写真を楽しむという記事を書こうと考えていましたが、脈絡のない記事で何をいいたいか伝わりにくい記事になってしまいました。
私の所有するハッセルブラッドを簡単に紹介すると
- Hassel Blad 503CX
- Carl Zeiss Planar80mm2.8(標準)
- Filmマガジン A12を2個所有(カラーとモノクロ同時撮影に使用)
- Carl Zeiss Distagon60mm3.5(広角側標準35mm相当)
- Carl Zeiss Distagon50mm4(広角側標準28mm相当)
- Carl Zeiss MacroPlanar120mm4(望遠、マクロ用)
- Carl Zeiss Sonnar180mm4(望遠)
を使っています。
ハッセルは、ファインダーが綺麗で、このファインダーを覗いて写真を撮る楽しみがあり、中判の120フォーマットなので、35mmのフォーマットより、フィルムサイズが大きく綺麗な写真を撮る事が出来ます。また真四角のフィルムサイズなので、3*2のデジタルカメラと違った構図となりフルサイズの写真に慣れた目で見ると面白い写真になります。
撮影は全てマニュアルで露出を決めて撮るので、写真初心者には敷居が高いのですが、これも慣れてしまえば問題なく、操作やフィルムの装填取り出し、レンズシャッター式のレンズなので、レンズ交換の操作なども何回か行えば慣れてしまいます。
フィルムも1本で12枚しか撮れない(12枚で十分ですが)と感じますが、本当に撮りたいものをしっかり撮るという写真の撮り方も面白いので、興味を持たれたら、ぜひチャレンジしてみてください。
余談ですが、デジタルが普及する前のファッションの写真は、ハッセルブラッドで撮られた写真も多く割とプロがスタジオで使うようなカメラでもあります。あと有名な話で、アポロ計画で月に行ったカメラでもあります。そんな、歴史的な背景に想いを寄せて使ってみるのも楽しいと思います。
Shop
私のフィルムカメラは、ライカ同様、横浜にある大貫カメラさんで購入しています。
こちらのお店も老舗で、いろんなカメラを扱っています。また、周辺機器や小物も充実していることや写真を撮る事をメインに商品を展開していますので、どんなに古いカメラでも整備がしっかりされ、また何かあればしっかり直してくれる体制も整えられているので、安心してカメラを選ぶ事が出来ます。
また、スタッフの方々も写真が上手で非常に知識も豊富なので、写真に関する悩みも相談に乗ってくれます。
初心者から、ベテランまで、満足出来るお店なので、横浜に行く機会がありましたら足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。