Rolex SubMariner (1680 1972 “Red”)
Rolexを代表するアンティークのスポーツモデル。デイトナと共に最初に名前が上がる赤サブ
Rolex SubMariner 1680 通称”赤サブ”について
GMT-Master、DayDateとアンティークRolexの所有で満足していた私に、突如割り込んだSub Mariner 1680(Red)。
王道すぎて興味があまりなかったのですが、実物をみるとやっぱり魅力的で、個体がしっかりしたものの紹介を受けて手に入れました。今回はSubMariner 1680(Red)”赤サブ”の紹介をしたいと思います。
されど”赤サブ”
アンティークのRolexに興味を持つきっかけが、ヴィンテージの501である事は、過去の記事で書いています。
ジーンズに合うスポーツRolexの筆頭は何かと言われたら、恐らくですが、SubMarinerと答える方が多数なのかなと思います。サブマリーナーは非常に魅力的な時計で、長年作られ古いものから最新のものまでそれぞれにファンがいるRolexを代表する時計になります。私はどこか王道から外れたところが好きなとこもありサブマリーナーの魅力は理解しながらも、自分で手にすることはありませんでした。
そんな私のところにGMT-Masterを購入したお店の店長から、お誘いがかかります。”最近、いい個体がいくつか入ったので、また個体を見に遊びに来てください”との言葉に釣られお店に遊びに行きます。
店長の趣味はサーフィンで、私も過去サーフィンをしていた事や、近年だとサーファーさんの写真を撮ったりする事もあり、店長と会うと時計の話はそこそこにサーフィンや波の話に花が咲きます。お話のあったいい個体は、アンティークRolexのスポーツモデルを代表するサブマリーナーの5512、シードェラー1665、そして今回紹介するサブマリーナーの1680でした。
アンティークRolexの魅力
3本を見せていただき、店長の目利きからそれぞれの個体の特徴や良い点を聞きながら一本づつ手に巻いてみます。最初に良いと思ったのは、シードェラー1665で、ぽてっとした外観と、風防の丸さが、潜水艦の窓のように感じ非常に魅力的に感じます。サブマリーナーの1680はあまりに有名なのでどこか避けていたのですが実際に手に巻いてみると、なるほどと感じる不思議な魅力があります。店長と、SubMarinerの文字が赤いだけなのになんでこんなに魅力的なのかという話に花が咲き、その日は、購入せずにお店を出ます。
一晩、色々考え妄想が膨らんで行きます。店長から教えてもらったこの赤サブが魅力的に見えた理由の中に、当初から、お店が扱い、代々のオーナーさんや、整備や利用状況を把握出来ている個体で、パーツのオリジナル度合いが高いといった履歴がはっきりしているというお話があり、そういうものなのかと考えて行きます。
ヴィンテージギターとアンティークRolexの共通点
私は過去、ヴィンテージギターが好きで、いくつか個体を所有していた経験があります。
その中に、57年製のブロンドのストラト(シルバーパーツ、アッシュボディ)、60年製のスラブのテレキャスター(アッシュボディ)、61年製のES-335(スモールガード、PAF)、61年製ES-175(スモールガード、PAF)、54年製のD28、62年製のJ45、にアンプは57年製ツィードのツイン、58年製のツィードのデラックスなどを所有していました。その後お金が必要になり58年製のツィードのデラックス以外は全て売却してしまった苦い思い出があります。
ギターは好きですが10年以上触らなくなってしまい、手元には1963年製ES-175とMansonというイギリスの製作者が作ったアコースティックギター(Led Zepplinのジョンポールジョーンズが持ってたキングギドラ:トリプルネックのギターを制作した方です。)が残っています。
話が脱線してしまいましたが、ギターの時も、状態や履歴をお店が把握している個体は非常に良かったという事を思い出します。その事を思い出し今回の赤サブ購入に悩む事になります。ギターの話で過去の所有者の話の中に、私は買う事が出来なかったのですが61年製のES-335(スモールガード、PAF)と比較したES-335の個体が、元ラリーカールトンが所有し、エイモスギャレット(だったと思います?古い話なのでうる覚え)が手放した個体を見せていただいた事を思い出しました。
使い込まれた道具の魅力
そんな事もあり、元々それほど興味のなかったサブマリーナーの中なぜこの赤サブが魅力的に見えたのかの理由が見えてきて、その魅力に負けて購入します。
その時店長と話の中で出た言葉が ”されど赤サブなんですよ” この”されど赤サブなんですよ” の言葉の意味に、デイト表示のついたサブマリーナーの初代モデルである1680の初期生産が赤サブであることで納得しました。
老舗が管理してきた素晴らしい個体
老舗が、管理してきた個体で、オリジナル度が高いという中に、文字盤の状況、針の状況、ケースやラグの状況ベルトの状況ともに非常に良好で、適度なエージングが手に巻いた時になんとも言えない魅力を持っています。
- ベゼル、針、文字盤、夜行塗料の状態が良好で、年式を感じさせないながらアンティーク的な良いエージングが進んでいる個体。
- ケースもエッジがあり、痩せていないので、くたびれた感が皆無。GMT-MasterやDay Dateより厚めなので、無骨で、男性的な付け心地があり、元々、自身で所有するつもりはなかった考えを変えてしまいました。
- イメージが先に来る先入観は良くない事を今回も手にして考え、なぜ多くの人に愛されているのかの理由が良くわかり、ジーンズに合わせる時計の一つの究極の答えでもある事を再確認しました。
着用例
ディテール
- Rolex Sub Mariner 1680
- 年式 1972年
- ケース ステンレス
- ベゼル 回転ベゼル
- ブレスレット スイス製Wロック式3連巻きブレス
- 風防 プラスティック風防(プレキシグラス)
- 文字盤 マークⅣダイヤル
- 自動巻キャリパー 1570
好きな点
- SabMarinerの文字が赤いだけであるが(それが重要でもあります。)、それだけでなくこの年代独特のフォルムにこそ魅力がありそのバランスの良さ
- ダイバーズウォッチならではのゴツさが無骨で男性的な魅力
- 現行モデルに比べると軽く、軽快な装着感
- リューズが大きいのでGMT-Masterに比べると、巻き上げのしやすさ
- 整備や清掃がしっかりされているので、時刻合わせや巻き上げの操作が気持ち良い感触
- 長年変わらないデザインと、多くの人に愛される機能性
- 文字盤の視認性の高さ
- 黒ベゼルの絶妙な退色
- 現行品に比べて、エッジが丸く、プラスティック風防の丸さも含め、こなれた雰囲気
気になる点
- リューズを締めた時の節度感が現行品ほどカッチリしていない事
- 現行の時計のカチッとした装着感に比べると、ブレスが緩んでいるので、緩い装着感
- 防水面も現行のような防水は期待出来ない事
- 以上の問題を考えても現行品にはない独特の雰囲気がありあまり気にならない事
おわりに
ブルージーンズに合わせる時計を探して回り道をしながらたどり着いたRolex Sub Mariner 1680”Red”
私自身の好みやイメージを超越している普遍的な魅力を持っています。今回、Rolexの赤サブを紹介していますが、今後、合わせた服などの記事に登場しますので、Rolex Sub Mariner 1680に興味があり購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
Shop
私の購入したSub Marinerは、原宿にあるアンティークコルリオーネさんにて購入しています。
アンティークロレックスを長年扱い、価値をしっかり見定めてお客に提案してくれる店長の目利きに間違いはなく、おすすめの個体は安心して購入できます。あと趣味の話に関する話題も豊富なので、素晴らしい購入体験が出来ます。オーバーホールやメンテナンスも長年の経験があり、対応も素晴らしいので、購入後の満足度も高い老舗の名店です。
アンティークの時計も、ヴィンテージギターとの共通点のようなものがあり、ものの目利きとか、バックボーンにあるストーリーとか、男性が好きな要素が詰まっています。ものを購入する際、このお店から、この人から買いたいと思えるようなお店を見つけられると、さらに楽しめると思います。
お店の紹介はGMT-Masterの記事でもしていますのでそちらもご参照ください。