TENDER Co.130 UNBORN (TAPERD JEANS)
TENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSは19世紀から20世紀初頭イギリスに蒸気機関車が走っていた時代の作業着を現代的に解釈したジーンズ
はじめに
ストレートジーンズが大好きで、Levi’s501が基本にあるのですが、少し変わったジーンズを履いてみたいと考えて手にいれたTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSを紹介します。黒に近い濃紺のリジットデニムで16オンスのヘビーオンス、色移りは結構激しく、数回洗わないと、白い衣類に色移りしてしまう癖の強いデニムですがイギリスの産業革命期に作られ始めた頃のデニムの作業着をモチーフに作られたマニアックでこだわりのあるジーンズです。ロールアップして履く事を前提に作られていて、このロールアップもダブルという癖の強いジーンズですが、実際に履くと愛着が湧き手放せなくなるこだわりが詰まった面白いジーンズです。
白黒写真で見た事があるような19世紀の作業着
ジーンズは、元々作業着として作られています。日本でのジーンズのイメージと言えばアメリカのジーンズがメジャーで、Levi’sやLeeは知らない方がいないくらい有名で、ジーンズと言えばLevi’sやLeeのジーンズをイメージします。Levi’s501のイメージは絶大で、ジーンズの形というと501の形をイメージしてしまいますが、Levi’sのストレートジーンズのイメージは501XX以降のデザインになり、初期の牧場などの作業着として作られた201などの19世紀や20世紀初頭のもう少しゆったりしたジーンズのイメージはあまりありません。
今回紹介するTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSは、19世紀や20世紀初頭のジーンズが普通に作業着として使われていた時代をモチーフに作られています。製作者がイギリス人なので、産業革命以降の蒸気を使った機械や、蒸気機関車を動かす人が来ていた作業着のようなジーンズを細部までこだわって作っています。
TENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSの特徴は、
16オンスのヘビーウエイトの生地、黒に近い濃いインディゴ染めながら、色落ち対策をしていないので色移りの激しいインディゴ染め、ボタンフライながら、通常より少ないボタン、ステッチや縫製は白い染めのない糸、シングルでなくダブルやトリプルといった補強面が目的のステッチ、ヒップポケットは通常より下に配置など他にあまり見かけないディテールで作られ、シルエットも、股上が深く、少し太めのテーパードライン、レングスは長く作られ、ダブルのロールアップで履くように作られています。
この作りが、19世紀や20世紀初頭の作業着として使われていた時代のジーンズを彷彿させる独特の質感とシルエットになっています。
産業革命期のイギリスの作業着を着る楽しみ
私がTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSを手にいれ楽しんでいる理由に、どこか映画などで見た事がある古い時代の装いへの憧れのようなものがあります。実際に着用してみるとその時代に作られた作業着としての機能美が満載でその必要から生まれたフォルムやディテールに愛着が湧き、優れた道具感のような魅力を感じています。
ファッションとして身につけていく事を考えると、少しわたりの広いテーパードの効いたシルエットと黒に近い濃いインディゴ、幅広いダブルの裾など特徴的なフォルムで癖が強いイメージがありますが、Tシャツ一枚でスニーカーを合わせる他のジーンズの履き方と同様に楽しめます。私が好きなミリータリーアイテムとも相性が良く、ミリタリーアイテムが持つ、ゆったりしたフォルムとの合わせも楽しめます。単体として見ると癖の強いジーンズですが、実は合わせる服を限定しない幅広い組み合わせが楽しめる優れたジーンズです。Tシャツにジーンズとスニーカーというオーソドックスな組み合わせに、癖があるTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSを合わせる事で、他のジーンズと異なる魅力が生まれるので、履いていて楽しいジーンズになります。
長年しなかったジーンズにTシャツをタックインする魅力を再確認
ジーンズのフォルムに癖がありますが、Tシャツをタックインして、腰回りのフォルムを見せる事でその癖を活かす組み合わせが、思いのほか魅力的です。考えてみたら、ジーンズの魅力に股上部分の作り込みがありこの部分が隠れてしまうような履き方をしていましたが、TENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSを履く事で、他のジーンズを履く時もTシャツをタックインしてみるといいかなと考えています。そのような新しい魅力を再確認出来た事もTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSを履くことで気がついた出来事になります。
色移りが激しいので、数回洗い色移りしなくなるまでは、色の薄いTシャツなどは合わせない事や、車のシートやソファーなどに色移りをしないように気をつける必要があります。そのような気遣いはありますが非常に魅力的なジーンズになります。
TENDERは”William Kroll”が手がけるイギリスのブランドになります。サヴィル・ロウでテーラーリングの技術を学ぶなどの経歴を持ち、イギリスのセントマーチンズのデニムの講師も勤めます。William Kroll氏が拘って作った、産業革命期の作業着をモチーフにしたジーンズが今回紹介したTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSになります。
着用例
ディテール
- コットン100% 岡山産デニム 16オンス、非常に濃いインディゴ
- わたりが太く、裾にかけて細くなる適度なテーパードライン
- ステッチは染色なしの白、部位によりダブル、トリプルを使いわけ
- 股上は深めですが腰位置が高く、ポケットを下に配置する事で足を長く見せます。
- レングスは長く、裾を幅広くダブルでロールアップして履く仕様
- ボタンやリベットも独自のこだわり仕様
組み合わせ
- 黒Tシャツ : TOM FORD
- フィールドジャケット : M47
- Denim : TENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANS
- 帽子 : Ten-C
- 時計 : Rolex Sub Mariner 1680(1972)
- サングラス : Ray-ban WAYFARER 90’s(BAUSCH+LAMB)
- ベルト : The Real Mccoy’s
- 靴 : New Balance 1700
おわりに
映画で見るような古い作業着のようなジーンズが欲しくなり、購入したTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANS、実際に履いて見ると色々な魅力が詰まったこだわりのジーンズになります。最初からロールアップで履く事を前提としたレングスの仕様や重いオンス、色移りをする濃いインディゴ染めなど癖が強そうに見えますが合わせる服に対して寛容で、Tシャツとスニーカーとジーンズのスタイルに普通に合わせながらもひとひねりを加えてくれる優れたジーンズになります。
余談ですが、ダブルのロールアップは、当時カウボーイが馬に乗っていた際、タバコを吸うと、内側の折り目にタバコとマッチ、外側の折り目に吸い殻を入れていたというエピソードが残っています。そんな歴史的なエピソードもこのジーンズを楽しめる逸話になります。
Shop
今回紹介したTENDER Co.130 UNBORN TAPERD JEANSは、Post78さんで購入しています。
Post78さんは、服好きの店主がこだわった上質で、長く楽しめるアイテムを多数扱っていて私もここで良く買い物をします。また、買い物の際、服好きの店主とファッション談義をするのも楽しみになっています。