ジーンズのシルエット

Levi's 502 60's
Fashion

ジーンズのシルエットについて考えてみます。


ジーンズのシルエット

ジーンズの形は、様々ですが、私が所有するジーンズのシルエットが、履いた時にどのようなシルエットになっているかを写真を見ながら考察してみます。


ストレート

テーパードがあまり効いていないストレートジーンズ、Levi’s501XXやLee101Zがこれに該当します。

Levi's501XX 54's
Levi’s501XX 54’s
Lee 101Z 50's
Lee 101Z 50’s
Levi's501XX 55's
Levi’s501XX 55’s

Levi’s501XX 54’s、Lee 101Z 50’s、Levi’s501XX 55’sの3本のジーンズがオーソドックスなストレートジーンズになります。ここにあげた3枚の写真だけではわかり難いかもしれませんが、他のジーンズに比べて裾幅まで絞っておらず、裾幅が広めなのが特徴となります。後述する、スリムジーンズと比べると全体シルエットはボックスシルエットになっていて、肩幅から足までの見た目は”長方形”のイメージになっています。


ストレート(テーパードライン)

上記のストレートジーンズに比べ裾幅が少し狭くなり、裾に向かって細くなるシルエット、502やCiota、Boncoura66がこれに該当します。

Levi's 502 60's
Levi’s 502 60’s
Ciota
Ciota
Boncoura66
Boncoura66

Levi’s502 60’s、Ciota、Boncoura66の3本のジーンズがストレート(テーパードライン)となります。上記のストレートに比べ、若干ですが裾幅が狭くなり、すっきりとしたシルエットになっています。元々、テーパードラインは、60年代に、作業着だったジーンズが若者のファッションとなり、Levi’sもXXが終わり、Big-E期にこのテーパードラインに501の形を変えて行きます。502はそのラインで作られたジーンズで、CiotaやBoncoura66もこのラインをモチーフに作られています。XXや101のストレートラインが”長方形”であるならテーパードラインは、その長方形を”下部が狭くなった台形”の形にしたようなイメージになります。


ストレート(テーパードライン)変種

基本はストレートジーンズのテーパードラインですが、わたりが太かったり少し変わったシルエットのジーンズでTENDER Co.130 UNBORNがこれにあたります。イメージは501XXより前の作業着で使われていた時代のジーンズになります。

TENDER Co.130 UNBORN
TENDER Co.130 UNBORN

上記のストレートジーンズと基本シルエットは同様ですが、太めに作られていて、ウエストは絞られてお尻から裾までが、通常のストレートジーンズより太くなっています。全体シルエットを考えると、ボトム部分にボリュームが来るようなイメージですが、極端ではなく、ファッション的なシルエットというより19世紀末の作業着のイメージになります。肩幅から、足元までの見た目は、”下部が狭い台形を2つくっつけた”ようなイメージになります。


スリムテーパード

足元がかなり細くなるので、ストレートやストレートのテーパードラインに比べると、全然異なるシルエットになります。レングスに対する考え方も全く異なり、ストレートジーンズは割と長めのレングスで考える事が多いのですが、スリムテーパードは、短めでくるぶしを見せるようなレングスになります。

Slim fit comfort denim : Brunello Cucinelli
Slim fit comfort denim : Brunello Cucinelli

元々、ストレートジーンズが好きなので、イタリアンスタイルのスリムテーパードのジーンズはあまり持っておらず、最近履くようになったスタイルです。シルエットは足元にかけて絞っていくので、上記のTENDERのスタイルをシャープにしたようなシルエットになり、緩い逆三角形になり腰で一旦膨らむので下部が狭い台形を2つくっつけたスタイルの下部の狭さがシャープになったようなイメージになります。


おわりに

ストレート、ストレートテーパード、旧式のジーンズスタイル、スリムテーパードと大まかに4つの形を元に履いた時のシルエットがどう見えるかを考察してみました。

ストレートは、長方形で、足元までしっかりボリュームがあるので、ハードで男らしいシルエットになり、クラシックなアメリカンスタイルのファッションになります。普遍的なシルエットで、流行り廃りに関係なくいつ履いても古臭さがない定番のシルエットといったイメージです。私自身が長年このスタイルで馴染みのあるスタイルで、退色していないジーンズ、レングスが少し長めのものをヒールがある靴に合わせてといった履き方が一番しっくり来るスタイルと感じています。

ストレートのテーパードラインもストレート同様、私自身が長年しているスタイルで馴染みがあります。ストレートジーンズに比べて、すっきりしたシルエットなので、スニーカーに合わせたカジュアルなスタイルがしっくりきます。ジーンズの色はリジットの濃紺から、退色が進んだものまで合わせやすく、どんなジーンズを選んでもまとまりやすく合わせる服や靴を選びません。レングスはストレートより短めの方がスタイルとしてはしっくり来るので、ストレートが32inchより長いレングスを選んでいるのに比べ、テーパードは同じレングスが32inchでも少し短めや、30inchくらいの少し短めのレングスのものを選んで、スニーカーなどヒールの高さのない靴と合わせています。

TENDER Co.130 UNBORNのような、ストレートながら、より旧式の作業着を意識したジーンズはボトムにボリュームが来るので、Tシャツなどをタックインするとその面白いディテールを活かす事が出来、シルエットも綺麗にまとまってきます。私自身TENDER Co.130 UNBORNの1本しか所有しておらず、リジットの濃紺なのでリジットがしっくり来ているのですが、退色が進んでもう少し青みが出て来ると印象が変わるかもしれません。古き良き時代の作業着のイメージで履くことで一つの世界観が出て来る面白いジーンズなのでこれからも色々楽しんで行きたいと考えています。

スリムテーパードは、Brunello Cucinelliのジーンズなので、イタリアンファッションの色が強く出たシルエットになり、合わせるトップスや靴も自然と同じBrunello Cucinelliのものが一番しっくり来ます。ストレートの無骨なイメージに比べ、スタイリッシュで、ファッションを意識したスタイルで、身体のラインをうまく見せる工夫がなされているので、ストレートジーンズより洗練されたスタイリングにまとまります。

今回、4種類のジーンズの履いた時のシルエットやイメージをまとめ考察してみました。機会があればもう少し細かなディテールや、組み合わせも記事にまとめて行けたらと考えています。


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