着用例 1.
Levi’s 501XXとの組み合わせ。
Levi’s 501XXと合わせています。シアーリングで仕立てているので、表革のライダースより柔らかく洗練されたイメージになります。
Levi’s 501XX 1954

この写真からブルネロクチネリという想像はあまり沸かないかもしれませんが、ブルネロクチネリ自体がアンダーステートメントなイメージを大事にしており、さりげないスタイルを提案することで評価されて来た側面があります。この組み合わせが面白いのは一見テディボーイ風の組み合わせながら、非常に洗練された大人っぽいスタイルになっています。

後ろ姿も綺麗な形です。A-2もシルエットはまとまっていましたが、ブルネロクチネリが作るレザーアイテムは肩やウエストのラインの綺麗さが別次元であり、仕立ての技術が高いブルネロクチネリらしい後ろから見たシルエットになります。

シャツではなく、カシミアニットをインナーに着てラフに前を開けて着ても雰囲気は抜群です。501XXの少し太いわたりとあまりテーパードしていないストレートシルエットはブルネロクチネリの定番であるテーパードラインと異なりますが、組み合わせてみると意外なほど相性は良いです。
着用例 2.
私が古着が好きで、ここ数年はブルージーンズ以外ほとんど履いていなかったのですが、今年は他のボトムアイテムを積極的に履くようにしています。その中でスタンダードなストレートジーンズよりスリムなボトムのシルエットがあります。前回記事のDiorピーコートで紹介した、Diorを代表する黒のスリムフィットデニムとVisvimの5ポケットのストレートパンツを合わせてみます。
スリムフィットのブラックデニム
ライダースに黒のスリムデニムのスタイルもロック的で、イメージは、モーターヘッドのフロントマンである、レミーキルミスターのようなイメージがあります。腰に極太のガンベルトを巻くとまさにそのスタイルになります。レミーのライダースはスタッズが打ってあり背中にバンドのロゴがペイントされたりしており厳密には異なりますが、ライダースに黒スリムはレミーのイメージです。
黒のスリムを合わせると、バイカージャケットの雰囲気が前に出てきて、ヨーロッパのバイカーのイメージを感じます。映画などだと、ヒッピー崩れの歳をとったバイク屋の親父がしていそうな格好でもあります。レミーやヒッピー崩れのバイク屋の親父のイメージだと直毛の腰まで伸びたロン毛ですが、流石に私がこの歳でロン毛は無理でありそもそも似合いませんのでそのまま着ています。
Dior スリムフィットのブラックデニム

Diorピーコートと合わせたイメージと異なり一般的なスリムのブラックデニムに見えます。ボトムが黒になることで、ブルージーンズに比べてもう一段重心が低くなり締まったスタイリングになります。ブルネロクチネリの服全般に言えますが、ブルネロクチネリ以外のアイテムと合わせても自然にまとまる寛容さを持っています。寛容さというより上質さや上品さを加味するという表現の方が適切であるかもしれません。

レザーアイテムを大人っぽく洗練されたイメージで着たい時は、ストールやマフラーなどを首に巻くと効果的です。ボトムがブラックデニムになるだけで雰囲気が一気に変わります。

ストールはバイカージャケットに入れても出しても雰囲気が出ます。ワイルドな雰囲気を出したいならストールなどはせず、上品な形にまとめたいならストールをすると良いです。
着用例 3.
Visvim 5ポケットスリムストレート
これまで、しばらくしていなかった、ベージュ系のパンツと冬物アウターを合わせるきっかけとなった、Visvimの5ポケットストレートパンツと合わせて見ます。私の中でベージュ系や白パンから想像するイメージは三島由紀夫氏のイメージがあります。私自身三島由紀夫氏についてあまり詳しくはないのですが、子供時代に見た三島由紀夫の映像で、白パンに焦茶のポロシャツを着ているイメージがあります。
余談ですが、2000年代初頭、ドルチェアンドガッバーナの春夏シーズンの服をバーニーズで見た時、まさに三島由紀夫のイメージが湧きました。これは、タイトでローライズなベージュのパンツに、身体にフィットする焦茶のポロシャツの組み合わせが、肉体的であり映像として残っている1960年代終わりの三島由紀夫をイメージするものでした。
- 厳密には三島由紀夫のファッションについて私自身の知識が追いついていないので、そのようなイメージをする方は少ないかもしれません。
- 肝心の三島由紀夫の本は若い時、潮騒を読んだ覚えがあるのですが内容をほとんど覚えておらず思い返すと記憶の中で太宰治の斜陽が潮騒と被ってしまう体たらくです。機会があれば再度読み返したいと考えています。
- 三島由紀夫のイメージはどちらかと言えば全共闘との討論のイメージが強く非常に本質的で理念を信じ精神的にタフな人であったという三島由紀夫像が私の中で勝手に出来上がっています。
私が、白やベージュのパンツを履いても三島由紀夫のイメージは全くありませんが、過去に目にした戦後の日本人で、ファッションの中に肉体を前面に出したイメージが強いのは、三島由紀夫であり、その三島由紀夫の写真で残ったものが、白パンとポロシャツといういで立ちであったのが、ベージュ系や白系のパンツを見ると三島由紀夫を連想する理由です。
Visvim 5ポケット スリムストレート

白系のボトムに焦茶色という組み合わせが最近好きで良く身につけています。Visvimの細身で綺麗なシルエットのストレートパンツと合わせると洗練された大人の雰囲気が出ます。

前のジップを開けてストールをラフに巻いても洗練された印象。

フロントジップを閉めてVゾーンにストールを見せると、暖かさだけでなく洗練されたスタイルになります。

キャスケットでなくニット帽に変えると、顔が小さく見え、バイカージャケットが持つシルエットの綺麗さがよりわかります。

前を開けて動いてみると、着心地の良さから来る動きやすさと崩れないシルエットの綺麗さがよりわかります。

ボトムがベージュになると、501やブラックデニムとは異なる品のようなものが出てきます。
ディテール
- ムートン
- 斜めに配したダブルカーソルジップで開閉
- ラぺルカラー
- 上部にジップポケット
- 下部にジップ式ポケット
- フラップ付きチケットポケット
- 袖口のジップで開閉
- シアーリング製ライニング
- イタリア製
組み合わせ
- バイカージャケット : Brunello Cucinelli シアリング バイカージャケット
- ニット(グレー) : Brunello Cucinelli スエット風カシミヤニット
- カシミアストール : Brunello Cucinelli
- ウエスタンシャツ : Brunello Cucinelli
- Denim : Levi’501XX 1954製
- Denim : Dior スリムフィットデニム
- 5ポケットコットンパンツ : Visvim
- キャスケット : リアルマッコイズ
- ニット帽子(グレー) : LEUCHTFEUE
- 時計 : Rolex Day Date (1803 1969)
- サングラス : Tom Ford
- ベルト : Hender Scheme
- 靴 マウンテンブーツ : Brunello Cucinelli
おわりに
家内の冬物を選ぶために訪れたオーダー会で、勧められて購入したシアリングバイカージャケットです。元々、レザーアイテムの使用頻度はそれほど高くないので、私一人でものを選んでいたら選んでいなかったであろうアイテムです。
服の面白さに、ハンガーにかかった状態では興味を惹かないものが、実際に身に着けてみると予想外に良かったというケースは多々あります。今回のシアリングバイカージャケットは正にそのパターンです。
コンセプトが非常に面白いレザーアイテムで、クリースの効いたトラウザーズにブレザー代わりに羽織るような着方を想定した作りで、レザーアイテムながら、テーラードジャケット的な作り込みがなされています。
本来は私のようにブルネロクチネリ以外のボトムと合わせるより、ブルネロクチネリが展開するボトムと合わせて着る方がブルネロクチネリの世界観を堪能出来ます。
前回のDiorのピーコートで触れましたが、ブルネロクチネリのアイテムは、他のブランドや、全くコンセプトの異なるアイテム(古着やより現代的なアイテムなど)との組み合わせを容認する寛容さのようなものがあり、コンセプトの異なるアイテムに上質さや品格を足してくれます。(あくまでベーシックなアイテムが前提ですが)
シアリングバイカージャケットは非常に素晴らしいアイテムながら、購入後数回しか袖を通す機会がなかったのですが、今回撮影を行い、従来の着方であるヴィンテージデニムとの組み合わせ以外の様々な組み合わせの面白さを試す事ができました。ヴィンテージデニムよりスリムなシルエットを持つボトムとの相性が良かったので今後このスタイルも積極的にしていこうと考えています。
このように、購入から数年を経て自身の中にある価値基準が上がる服って世の中にそうはありません。このような価値観を提供しているのがブルネロクチネリの真骨頂であります。
オーダー会も非常に素晴らしい体験で、ブルネロクチネリを熟知したMr.ブルネロクチネリこと引野氏が我々夫婦に最高のアイテムを選んでくれた事に感謝しております。
氏の着る人を見てからお勧めするアイテムのセレクトに関する感性は、着る人に対する鋭い観察力とヒアリング力による外側と内側を熟考した非常に高いプロフェッショナル意識がなせる技でもあります。
他のスタッフの方も引野氏同様に高い感性と高いプロフェッショナル意識を持っており、そのことから私も家内もブルネロクチネリで購入したアイテムには間違いがないという絶対的な信頼を持っています。
これは私だけでなく他のブルネロクチネリを愛するお客様も同様の感覚をお持ちなのではないかと考えています。
今回紹介したシアリングバイカージャケットは少しクセの強いアイテムで、人によっては合わない方もいるかもしれませんが、ブルネロクチネリが展開するシアリングには、フライトジャケットをモチーフにしたものなども用意され、カラーも黒だけでなくナチュラルなカラーのものも用意されています。
今回のバイカージャケットより、癖がなく他のアイテムとの組み合わせのしやすいものも展開されていますので、一度袖を通してみてはいかがでしょうか。シアリングは柔らかい質感と軽さ、暖かさを備えた優れたアウターであり、ブルネロクチネリが持つ組み合わせに対する寛容さにより様々なスタイルに上質さや品格を自然に与えてくれます。
Shop
私のブルネロクチネリの商品は、Brunello Cucinelli銀座店で購入しています。
フィールドジャケットの記事でも述べていますが、商品やお店だけでなくそこに関わる人も含めて最高のお店ですので、一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
お店については、フィールドジャケットの記事で詳しく説明していますのでそちらを参照ください。
