Polo Country Denim Shirts

Diorのボタンダウンシャツと、チノパンツの記事で触れた、90年代にラルフローレンからリリースされていたデニムシャツを紹介します。当時、POLO COUNTRYというラルフローレンのサブブランドとして発売されていたシャツになります。

[ Dior ボタンダウンシャツとチノパンツの記事 ]

POLO COUNTRY

POLO COUNTRYは1988年から1993年までの5年間しか生産されていません。理由は、今でも続くRRL(ダブルアールエル)が1993年に立ち上がり、POLO COUNTRYが引き継がれた形になっています。

RRLは、ラルフローレンがインスパイアされた古着をベースに、アメリカの服飾史に関わるアイテムを、製造工程にこだわり大量生産では出来ない少量生産の形でリリースされています。

POLO COUNTRYで展開されたアイテムは、名前通りカントリー調のアイテムを中心にリリースされており。私が所有するデニムシャツもカントリー調のデザインになっています。

RRLで展開されるアイテムも、アメリカ服飾史のアーカイブとも言える形で展開され、ヴィンテージ加工を含め、開拓時代から続く古き良きアメリカを連想させるアイテムが展開されています。

RRLの前進となったPOLO COUNTRYのシャツも、アメリカの田舎の牧場で働く方が来ていたような、厚手の頑丈なデニムを程よくヴィンテージ加工しています。

90年代初頭に販売されていたものなので、現代のスタイリングと考え方が異なり、身幅がゆったりとした当時のアメリカンサイズになっています。このサイズ感も絶妙で、デザインを含め、現代に着ても古さを感じさせない普遍性を持っています。

Back to basics

Diorの記事で触れていますが、昨年あたりから、ファッション業界(モードを意識したブランド)は原点回帰的な流れを意識していると感じています。その中でも90年代のポストバブル的なアイテムが目に留まります。

アメリカントラッドや、イタリア的なソフトスーツといったキーワードを感じるアイテムが展開されています。このキーワードは80年代終わりから90年代初頭に流行したスタイルになります。

キーワードとなったファッションスタイルのカテゴリー分けは、1980年代から1990年代に生み出されています。(実際にはもう少し前かもしれませんが一般化したのは1980年代から1990年代と考えています。)

90年代に日本で流行ったアメリカントラッドのスタイルも、最近様々なブランドから展開されています。Diorの記事で紹介した、ボタンダウンシャツや、クリースを抜いたチノパンツのスタイルは、90年代のアメリカントラッドをモチーフにしたと考えられるスタイルになっています。(Diorなのでシルエットが根本的に異なります。)

21世紀に入り、ファッションもマーケットが拡大し、キーワードやコンセプトが重視され展開されましたが、身につける人がもっと自然に服を楽しめる事を意識し出しているのかもしれません。

AMETRA

ボタンダウンシャツにチノパンツのスタイルは、当時で言えば、アメリカントラッドというカテゴリーに分類されます。別記事で紹介していますが、クラシコイタリアという言葉が一般化したのも1990年代半ばになります。

私の20代はまさにこのアメリカントラッドが好きで、ボタンダウンシャツとチノパンツは良く身につけていました。

アメリカントラッドは、アイビーリーグに影響を受けています。今風に言えば少し綺麗めなスタイルになります。20代の私はもう少し楽な格好を好んでいたので、シャツをタックインせずチノパンツに合わせていました。

ボタンダウンシャツが基本にありますが、デニムシャツの厚手の生地の方がジャケット的な感覚で着れたので、着用機会は圧倒的にデニムシャツが多かったです。

従来のカテゴライズからすると、デニムシャツはアメリカントラッドには入っていませんでした。ラルフローレンがデニムシャツを展開していた事や、90年代の私のように、当時の若い世代がアメリカントラッドのボタンダウンシャツの代わりにデニムシャツを着るスタイルを一般化したので、その後、デニムシャツもアメリカントラッドのカテゴリーに入っています。

2010年代に入ると、日本独自のカテゴライズであるアメリカントラッドが、「AMETRA」という言葉で世界に向けて紹介され、グローバルマーケットで一般化します。

当時海外のファッションメディアでアイビーリーグやプレッピースタイルを日本人が救った的な論評も出ました。

海外の本場のスタイルが日本独自に発展し、逆に輸出するスタイルは、なんとなくナポリピザに似ていいて面白いなと感じた出来事です。(ナポリピザはイタリアでピザ職人の文化が低迷したところに、日本人が価値を見つけ、日本独自のもっちりしたピザ生地を作ったり、日本のピザ職人が本場に行って活躍することで評価されました)

1990s style

POLO COUNTRYのデニムシャツが、1990年代初頭のものなので、身につけると1990年代のスタイルになります。面白いのが、30年以上の時を経て身につけても古さを感じさせません。

30年前同様、タックインせず、チノパンツに合わせて着ています。現代のシャツに比べ、身幅が広く、今のビッグシルエットとは異なる適度なルーズさを持っています。

合わせたチノパンツも、当時のチノパンツに近い、Boncouraのチノパンツを合わせています。

インナーはクルーネックの白Tシャツを着ます。当時は、ヘインズのパックTシャツでしたが、今回はTomFordのアンダーウェアを合わせています。

スニーカーは、当時スタンスミスでしたが、今回はコンバースのオールスターをモチーフにしたVisvimのスニーカーを合わせています。

1.タックインしないラフなスタイル

Polo Country Denim Shirts フロントボタンを止めますがタックインしません。

カントリー風で厚手の生地のデニムシャツなので、フロントボタンをラフに止めてタックインせずに着てもまとまります。全体のシルエットが当時のアメリカンスタイルなので、楽に着れるリラックス感も特徴です。

2.フロントボタンを開けてジャケット風に着ます

Polo Country Denim Shirts フロントボタンを閉めずにジャケット代わりに羽織ります。

初夏や初秋の、Tシャツ一枚では涼しく、シャツでは少し暑い時期には、フロントボタンを開けて薄手のジャケット代わりに着用します。暑かったら腰に巻いてしまいます。

3.テールのラウンドカット

Polo Country Denim Shirts 後ろからのシルエット

後ろ姿も、フィット感を重視せず程よいゆとりがあるリラックスしたシルエットになります。テールのラウンドカットの形も今ほどタックアウトが一般的ではなかった為、長めでカットが深く入っています。

日常着

ファッションを意識しない気楽さ

私の服えらびの原点に、毎日身につけるものは、考えないで着れるものというのがあります。朝起きて目の前にある服を適当に選んで着ることが私の装いに対する基本となっています。

Levi’sやミリターリーウェアをはじめとしたアメリカンカジュアルと言われる(通称アメカジ)スタイルが好きなのは、シワも気にせず、汚れたら洗濯機で洗えるラフな着用が基本にあります。

アメカジのアイテムは元々作業着(ワークウェア)が基本にありますので、汚れたりしたら洗って使う事が前提であり耐久性も高い事があります。

機能を前提で作られたワークウェアですので、機能美が後世で評価された側面があります。その機能美が男性的なことで男性ファッションとして広く定着しています。

アメリカントラッドも、原則は同じでアメリカの服飾文化が反映されています。アメカジのアイテムより少しフォーマルではありますが、アメリカ的な合理性が反映されているので、日常的に身につける服として非常に優れています。

20代でアメリカントラッドを好んでいたのは、社会人になっており、休日でも仕事関係の方と遊ぶ機会もあったことから、膝の破けたデニムとスエットやTシャツより、シャツとチノパンツの方が目上の方に失礼ではなかったという事が理由にあります。

当時は、ブルックスブラザースのボタンダウンシャツを、洗いざらしでボタンを止めずタックインせずにチノパンツと合わせて着ていたのですが、ボタンダウンシャツより扱いと使い勝手の良いデニムシャツを着るようになります。

若者文化 = サブカルやオタク文化

ポストバブルであった90年代に、若い世代が注目し愛用したものの中に、今やファション業界に浸透したマストアイテムであるLevi’sの501や、赤サブなどのスポーツロレックスがあります。

注目され一般化されるきっかけは、ファッションメディアではなく、日本的なサブカルチャーやオタク文化(悪い意味ではなく今や世界的評価されている日本独自の文化)でありモノマガジン系のメディアでした。

当時の若い世代が、高級な金無垢のロレックスではない、ステンレス製のスポーツウォッチであるサブマリーナーを選び、スーツではなく、デニムに合わせたのは、自分たちの価値観でロレックスを選び出した事が結果的に流行りを作り出したとも言えます。当時流行った一点豪華主義といった言葉も若者文化の一つの象徴でもあります。

今や、このサブカルチャーやオタク文化で出来あがったスタイルが、世界のトレンドに影響を与えています。

赤サブや501の話は、後に日本独自に進化し、世界的にも評価されているアメカジに繋がっていきます。

同様に、日本独自のスタイルを形成していたアメリカントラッドが世界に評価される事になるのは、ファッション業界ではなく一般人であった当時の若者文化の要素が反映されています。

若者文化の要素から、ストリート感覚も含んでいる事が、日本独自のアメリカントラッドの進化であり、その事が、現在のモードを意識しているブランドに影響を与えているのではないかと考えています。

世代を選ばない普遍性

デニムシャツとチノパンツをラフに着るスタイルは、元々、20代の若い世代が(自身の20代)日常的に、無理をしないで服を着るということから出来上がっているスタイルになります。

加齢により、当時と比べ身体のラインが崩れてしまうのは避けられませんが、当時のデニムシャツとチノパンツのスタイルは、多少身体のラインが崩れていても着用できる程よい余裕を持っています。

元々が、大きいことは良いことであるというアメリカ文化から来ているもので、多少ルーズに来ていてもシルエットが極度に崩れず、着用すると程よい若々しさが出ます。

A2の記事で書いていますが、昔からあるアメカジやアメトラの基本的なスタイルは、おじさん的な服の着方にならない一つの回答ですので、同世代の方にもおすすめできる服の着方です。

[ A-2 REAL McCOY’S 着こなし ]

デニムシャツ

Polo Countryが90年代初頭に展開していたデニムシャツなので、当時のシャツの標準的なシルエットで作られています。現代と異なり、ヴィンテージ加工もそれほど一般化されていなかった事で、デニムの色を適度に抜いた程度の加工になっています。

特筆すべきは、ディテールで、メタルボタンを使用していることと、左右の胸ポケットの形を異なるものにしています。そのことで、シャツとして着ても、ジャケット代わり(カバーオールやGジャン的)に使用しやすいデザインになっています。

Polo Country Denim Shirts
Polo Country Denim Shirts

オーソドックスなデニムシャツですが、メタルボタンの使用と、左右胸ポケットを異なるデザインにしたことで、カバーオールや、デニムジャケット(Gジャン)のような着方を楽しめます。

Polo Country Denim Shirts
Polo Country Denim Shirts ロゴ

Polo Countryのロゴになっています。

Polo Country Denim Shirts メタルボタン

シャツ用に作られたメタルボタンや、現代的なヴィンテージ加工ではなく全体的な褪色のみの加工をしていることで様々な着こなしを楽しめます。

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