Dior’s Slim-fit Jeans Black

後輩から”還暦でDior着こなしたら素敵だよね”の一言でDiorのアイテムを何点か購入し、従来の私のスタイルにはない着こなしを楽しんでいます。

[ Diorカシミアピーコートの記事 ]

私のDiorのイメージは、2000年代エディスリマンが展開した、究極のミニマリズムとも言える、細身で装飾を削ぎ落とし、色は黒、グレー、紺、白という世界観があります。

現代のDiorは過去にテーマであったミニマリズムだけではない多様性を持つコレクションを展開しています。その中でも過去のDiorのイメージに近いスリムフィットのブラックジーンズを紹介します。

スリムなブラックジーンズは、10代にバンドをしていた時、長髪にしていたバンドメンバー全員が履いていたものですが、私は、黒い服を身につけるのが苦手で、その後、私だけ膝の破けたブルージーンズを履いていました。当時のスリムなブラックジーンズは確かリーバイスの606でスーパースリムと言われるモデルだった記憶があります。

今でも、スリムなブラックジーンズは苦手ではありますが、組み合わせるインナーやアウターを考えると非常にスタイリッシュにまとまるアイテムです。

Rock fashion

モードの世界の定番テーマにロック的なアイテムがあります。

このロック的なアイテムがファッションとして扱われるようになったのは、恐らく2000年代に入ってからで、私の10代である1980年代は、おしゃれとはほど遠いスタイルでした。

ブリーチした長髪、アーティストTシャツにスリムなブラックジーンズは、当時「ヘビメタ」と言われ、バンドマンやヘビーメタルを愛する若者以外は、好奇の目で見られています。

バンドをしていた当人達は「メタル」と言い、「ヘビメタ」と批判的な言葉で呼ぶ世間を、本物を知らない無知な連中の言葉として受け止めていました。(今考えると健全な若者の反抗心です)

このスタイルの原点は、イギリスで起きたNWHMと言われアイアンメイデンや、モーターヘッドなど後世でリスペクトされるイギリス発のヘビーメタルバンドとオーディエンスが自然と作ったスタイルになります。

80年代半ば、LAメタルと言われたアメリカのヘビーメタルバンドが台頭し、金髪に盛った長髪、カットTシャツや、ブリーチアウトし破けたジーンズのスタイルもヘビーメタルを愛する若者やバンドマンに影響を与えています。

このスタイルも2000年代のドルチェアンドガッバーナが流行らせた、クラッシュデニムブームで一般化します。

1980年代の日本の若者のロックファッションは今ほど多様化しておらず、長髪、黒のスリムを履いたヘビーメタルか、アーミーパンツと安全靴に髪を立てるかモヒカンにしたパンク(ハードコア)のスタイルくらいでした。

今や市民権を得て、ロックとは関係ないストリートファッションのようなイメージになっていますが、当時は世間から白い目で見られる格好でした。(若者のロックの原点です。ただ当時はバイト先探すのが大変でした)

Dior’s Slim-fit Jeans

ロック的なイメージのある、スリムフィットのブラックジーンズになります。同じ形で、インディゴブルーや、洗いをかけた薄グレーのものも展開されています。

現代のスリムフィットジーンズなので、履きやすくする工夫が随所にあります。

  • 「ミディアムライズ」 エディスリマン時代はローライズでしたが、現代のDiorは履きやすいよう股上が深く取られています。(初期はブラックジーンズは展開されておらず、リジットに近いジーンズのみの展開でした。)
  • 「軽いストレッチ素材」 エディスリマン時代はコットン100%のデニム生地でしたが、現代のDiorはコットン98%エラストディエン2%と少しストレッチ素材になっています。

現在の、スリムフィットジーンズの形は、初期のエディスリマンが提案したスタイルをクリスヴァンアッシュの時代に着やすく手直しを行い出来上がったスタイルと推測されます。(この時代は興味がなかったので推測になります)

スリムフィットのブラックジーンズは、後染め(生地を染める手法)になっており、デニム的な色落ちではなく、長く色を楽しめるような手法で作られています。

1.後染め

Dior スリムフィットジーンズ

後染めした濃黒のジーンズになります。細身に見えますが、深めな股上と腰回りには適度な余裕があり履いた時、適度な皺が出ますので、スタイルが良く見えます。

2.ボタンフライ

Dior スリムフィットジーンズ ボタンフライ

フロントは5つボタンのボタンフライになっています。全てシルバーにする事で、Achromatic(無彩色)のイメージを持たせています。フロントの開口を短くすることで、深い股上をローライズ的に見せ、足を長く見せる工夫が入っています。

3.リベット

Dior スリムフィットジーンズ リベットとボタン

ボタンも、ロゴはトップのみにを入れています。DiorらしいMinimalismの要素がしっかり反映されています。ジーンズながら、ステッチは丁寧に処理されています。こういった細かな作りの良さが、パリコレに君臨するトップメゾンらしいこだわりです。

Minimalism

断捨離

Minimalism = 断捨離という意味を持ちます。エディスリマンがDiorで提案したスタイルはこのMinimalismが徹底されていました。私はこのMinimalismというコンセプトは大好きで、装飾感のない衣類を好みます。

Diorに限らず、男性服の基本は、制服や作業着のワークウェアから進化していますので、少なからずMinimalismの要素は持っています。ただし、機能や目的に影響が出てしまうMinimalismは本末転倒になってしまいます。

男性服でMinimalismを感じるアイテムの代表が「白Tシャツ」になります。ネック、袖、胴という最低限の作りで、装飾のないクルーネック、色は白と、人間が身につける最低限の要素で構成されています。

元はアンダーウェアとして作られていましたが、さまざまな形に進化し春夏シーズンに着用するアイテムとして幅広く使われています。

Diorは、現代の多様化したコレクションの中でも、スタイルを重視したスリムでモードを感じさせる一部のアイテムで、このMinimalismを徹底しています。

Achromatic

Achromatic = 無彩色という意味を持ちます。DiorのMinimalismを形成する要素に、このAchromaticの要素が大きく作用しています。現代のDiorのコレクションだと、一部のアイテムに限られますが、黒を基調とし、白のみを合わせるスタイルは健在です。その優れたシルエットとMinimalismを表現する世界観は、他のブランドでは真似の出来ないものになっています。

私は、Minimalismのコンセプトは好きですが、Achromaticを構成する黒ベースの服が苦手であり、これまでDiorの黒をベースとしたコレクションに興味を持つことはありませんでした。

冬季に購入したブラックカシミアのピーコートは、これまでの私の概念を変えるインパクトがありました。カシミアピーコートと共に購入したのが、今回紹介しているスリムフィットジーンズになります。

Combination

Diorのスリムフィットジーンズは非常にMinimalismでありAchromaticなことで、組み合わせる服を選ぶアイテムです。カシミアピーコートの記事でも述べていますが、組み合わせが難しい事がDiorの服の特徴でもあります。

タイトなTシャツ

白Tシャツでも、ルーズフィットなものとの組み合わせは難しいので、身体にフィットするTシャツを選びます。ルーズフィットが全盛の現代で、タイトフィットのTシャツを探すのは結構難しいのですが、TomFordのアンダーウェアはこの条件にマッチします。

インナーに選んだのはTom Fordのアンダーウェアの白と、同じくTom Fordのビスコースで仕立てたヘンリーネックTシャツの黒を合わせています。

黒のアウター

アウターは、冬場であれば、DiorのブラックカシミアのチェスターコートやピーコートなどDiorのアイテムを合わせるのが最適ですが、春夏シーズンとなると、なかなか思い当たるアイテムが浮かびません。

私が所有する数少ない黒を基準にしたアウターであるLe Mont ST Michelの黒のモールスキンジャケットを合わせています。このモールスキンジャケットは1930年代の古着で、当時のフランスの工場で、管理職が身につけていたアイテムと言われています。(一般の職員は青を身につけていたそうです)

サイズ感が絶妙で、適度にエイジングした風合いと、作業着ながら、ボタンやポケットなどのディテールに雰囲気があり、マルジェラの今期のコレクションと言っても通用しそうな尖ったモード感のような雰囲気を持っています。

タイトなサイズ

もう一つは、意表をつきますが、Boncouraの昨冬展開した黒のフーデットパーカーを合わせてみました。Diorにアメカジをルーツに持ち、作りにこだわるBoncouraのアイテムは難しそうですが、意外と行けてしまいます。

モールスキンも、Boncouraのフーデットパーカもサイズが私のサイズよりワンサイズ小さいサイズを選択しています。そのことで、Diorのスリムフィットジーンズと合わせてもシルエットが崩れません。

スエードブーツ

ボトムは、Visvimの黒のスエードブーツを合わせています。同じスエードでも黒のチェルシーブーツでラウンドトゥになったもの(John LobbのLowryのスタイル)も相性が良いですが、スエットパーカには合いませんので、先の丸いワークブーツタイプのVisvimを合わせています。

Tom Fordの白Tシャツ

Dior スリムフィットジーンズ Tom Fordの白Tシャツを合わせます。

Tom Fordのアンダーウェアとして展開されている白Tシャツを合わせています。コットン100%で着心地が良く適度にストレッチが効いているので、身体にも良くフィットします。

Le Mont ST Michel モールスキンジャケット

Dior スリムフィットジーンズ Le Mont ST Michel モールスキンジャケットと合わせます。

私が所有する数少ない黒ベースのアウターであるLe Mont ST Michel モールスキンジャケットと合わせています。1930年代のフランスの作業着ですが、サイズ感が絶妙でモード的な雰囲気があります。

Boncouraのフーデットパーカ

Dior スリムフィットジーンズ Boncouraフーデッドパーカと合わせます。

Boucouraが今冬展開した、黒のフーデットパーカーを合わせています。頭で考えると組み合わせとしては合わないアイテムのはずですが、意外と良い組み合わせになっています。

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