A-2 REAL McCOY’S 着こなし
前回、Real McCOY’SさんのA-2の記事を書きましたが、記事で案内出来なかった着こなしの組み合わせを今回紹介します。
前回の記事は、無骨なA-2を、年齢を重ねた40代以降の男性がおじさん臭くならずにどう着ると洗練されて見えるか?といったテーマで書いてみましたが、もう少し普遍的なA-2らしい着こなしを紹介できたらと考え記事を書きました。
私自身が特別センスが良いわけではなく、所有している衣類の組み合わせで構成しています。アメカジの基本的な組み合わせで非常にオーソドックスな着方ですが参考になれば幸いです。
前回のおさらい
前回はインナーにブルネロクチネリのウエスタンシャツを着て、Visvimの5ポケットのスリムなストレートパンツを合わせて、ストールを首に巻いています。この組み合わせは全体のシルエットが細身であり小物使いも現代的な組み合わせであり、A-2本来が持つミリタリー的な無骨さを敢えて抑えるような組み合わせをしています。
今回の組み合わせ
今回はボトムにオーソドックスなシルエットであるBoncouraのチノトラウザーズを履いて、1.インナーはブルネロクチネリのスエット風カシミアニットと、2.80年代のHealthKnitの裏起毛のスエットを合わせています。
ブーツはブルネロクチネリのマウンテンブーツを合わせています。マウンテンブーツではなくWhite’sのブーツなどを合わせた方がより本格的になりますが適度なボリューム感と色合いがA2に合っていると考えての組み合わせになります。
1.カシミアインナー
- アウター A-2 フライトジャケット
- インナー スエット風カシミアニット
- ボトム チノトラウザーズ
- シューズ マウンテンブーツ
2.スエットインナー
- アウター A-2 フライトジャケット
- インナー ポリ混紡丸首スエット
- ボトム チノトラウザーズ
- シューズ コンバースオールスター
A-2のインナーにスエットを着てワークパンツを履く姿は大脱走のスティーブマックィーンのイメージがありますが、私が今回した組み合わせは残念ながらマックィーンのようなスタイルにはなっていません。
ただ、身近にあるものを組み合わせて着るだけでも、A-2は無骨で男性的であり、ミリタリーの規律的な要素を持つ、非常に雰囲気があるアウターなので、男性的でどこかストイックながら、タフな雰囲気が良い形で出せると思います。

はじめに
今年は、DiorのデニムやVisvimのコットンパンツなど、少し細めのボトムに挑戦しています。従来の私が好むスタイルより少しスリムなボトムを履く事で、洗練された服の着方を楽しんでいます、
元々好きな、ジーンズやチノトラウザーズも例年より活躍機会が少なくなっていましたが、ジーンズやチノトラウザーズはアメカジというよりも、もう少し広範囲な括りである、アメリカンクロージングの基本でもあり、合理的で楽に着こなせる事(動きやすさや衣類の扱い)に優れるアメリカの服飾文化が原点のアイテムは、普遍的な魅力を持っています。
前回の、記事のテーマである、A-2をモダンでスリムなスタイルで着る事も魅力的ですが、もう少し普遍的な着方を紹介したいと考えて記事を書いています。記事用に撮影した写真を見ると、特別尖ったり、洗練されたイメージはないのですが、普遍的な男性ファッションの魅力を再確認するきっかけになっています。
前回の記事で触れた、A-2を上手く着こなす難しさに、A-2のクセの強さが着る人より前に出てしまい、その人が持つ個性よりも、A-2を着ている人という印象になりやすいという話をしていますが、今回は、あえてA-2を前に出した形で着ています。それでも普遍的な組み合わせの力で、A-2だけが前に出ることなく、全体の組み合わせの中のA-2という風にまとまるので、その辺りの感覚が上手く伝わればと考えています。
1.カシミアニットのインナー。
A-2のインナーとして考えると、コットン100%のスエットを合わせるのが王道ですが、厚手のスエットはアームホールがワイドであり、A-2の太くないアームホールだと、少し動きにくくなります。またコットン100%のスエットより、カシミアニットの方が薄く暖かいので、冬本番の着用はカシミアニットを着る機会の方が多くなります。
私が丸首のスエットを着る機会はそれほど多くなく、着るのはジップフーディーがほとんどです。一番着る機会が多いのは、Boncouraのジップフーディーになります。Boncouraも古着にルーツを持ち、非常にこだわった商品展開をしており私も大ファンですのでスエットに限らず、いくつかBoncouraのアイテムを愛用しています。
Boncouraは、非常に高品質なスエットを展開していますが、作りが頑丈で厚く作られているので、A-2のインナーとして使うのは難しいです。
A-2やJ-100などの、クラシックなアイテムのインナーは、サーマルTシャツか、カシミアニットというのが私の定番となっています。サーマルTシャツはReal McCoy’sさんのものを愛用しています。Real McCoy’sさんらしい本物志向で作られたかなり厚手でしっかりした作りになります。こちらも機会があれば紹介したいと考えています。
今回は、私のカシミアニットの中でも、一番使用頻度の高い、ブルネロクチネリのスエット風カシミアニットを合わせています。このニットは、ほどほのボリュームで非常に着心地が良く、どんなアウターにも合わせやすいので、私のカシミアニットの中でも着用機会が多いアイテムです。
ブルネロクチネリのカシミアニットで、スエット風カシミアニットと同じボリュームの、カシミアジップフーディーも愛用しています。もう少しラフに着こなしたり、ジャケットやコートのインナーに使ったり出来る、優れたカシミアニットになります。ブルネロクチネリのニットは、品質も非常に高く耐久性も高いので、他のニットに比べて毛玉が出にくい事も特徴にあります。




2.ポリ混紡スエットのインナー。
A-2のインナーとして合わせる王道は、薄グレーの丸首スエットではないでしょうか。今回、所有しているスエットを合わせようと考えましたが、現代のスエットはアームが結構太く、A-2などのクラシックな作りのアウターと合わせると、アームホールが窮屈で動きにくくなってしまいます。所有しているスエットで、一番適していると考えていた、一番細身である、CIOTAのクラシックなコットン100%の丸首スエットでさえ、A-2のインナーで合わせると、少し窮屈になってしまいます。
A-2や、所有しているBucoのJ-100などのインナーとして、使えるスエットはないかと、当ブログに良く登場する、Post78の店主に相談したら、流石Post78の店主、80年代のHealthKnitの裏起毛のスエットのデッドストックを持っています。
このスエットは、コットン100%ではなく、ポリ混紡で作られており、裏起毛、80年代のサイズ感(タイトというより小さいサイズといった方が正解)で、A-2やBucoのJ-100など、クラシックなシルエットのアイテムでも、インナーとして問題なく使用できます。店主の、流石のセレクトに恐れ入り、感心して即決で購入します。(非常に良心的な価格もPost78さんの特徴です)
Post78の店主の凄さに、アンテナの広さがあり、何気なく相談すると、結構な確率で希望に近いものを持っていたりします。古着や、モード、最近の、メイドインジャパンのこだわり商品など、広範囲にアンテナを貼っていて、流行り廃りの時間のサイクルも熟知しているので、結構前に出回ったもので、最近みないが、今これ着たい、などという、我儘な要望にも結構な確率で対応出来てしまいます。
別の記事で紹介している、Schiesser RevivalのTシャツなどは、店主も敬愛するマイケルタピアのTシャツの話題から、出てきたTシャツです。マイケルタピアがやっていた、フィット感のあるTシャツはないかと店主に相談した時に、スタイルやサイズ、素材感に共通点があると案内され、着用したら、まさにイメージ通りであり現在愛用しています。






チノトラウザーズ
チノトラウザーズは、ジーンズ同様、様々なブランド、ショップで展開されており、一言にチノトラウザーズといっても、種類がありすぎて自分に合うものを探すのは、結構大変なアイテムです。
20代は、チノトラウザーズが好きで、ラルフローレンのものなどを、良く履いていましたが、年齢を重ねるごとに、履く機会が減ってしまいました。30代の半ばくらいに、バーニーズで勧められた、ドルチェアンドガッバーナの、極度にローライズで細く、光沢感のあるツイルのチノトラウザーズを購入して、愛用していましたが、当時の提案が、トップスは焦茶のシャツやニットポロの組み合わせでした。非常にモード色が強く、そのため段々着なくなり、後輩がモード的なファッションを好んでいたので譲ってしまいます。
40代に一度、インコテックスのチノトラウザーズと、ブルックスブラザースのボタンダウンシャツを、色違いで揃えて、着ていた事もあります。この組み合わせに、ブルックスブラザースも時代の流れで、スリムフィットのボタンダウンをはじめており、スリムフィットのボタンダウンが好みだったので、色違いで、4枚のボタンダウンシャツと、このインコテックスを合わせて、愛用していました。
私の、チノトラウザーズの履き方に、購入後、即洗ってしまい、センタークリースを取ってしまいます。20代のラルフローレンのチノトラウザーズは、まさにそのような形で愛用していましたが、インコテックスのチノは、所謂、ジャケパンスタイル用なので、少し短めの丈と裾ダブルにしてしまい、センタークリースありきのものだったので、カジュアルに着るというより、少しだけフォーマルな使い方が多かったです。
私が、チノトラウザーズを履く場合、センタークリースを抜いたものを、愛用しています。おそらく、普通に店頭に並ぶチノトラウザーズは、センタークリースがついていますので、購入後、洗ってセンタークリースを抜いてしまいます。この時、素材がフォーマルな形で着ることを考えられたものより、少し厚手の昔からある素材のものの方がしっくり来ます。
Boncouraのチノトラウザーズ
Boncouraのチノトラウザーズが良いのは、サイズ感や素材感を含め、オーソドックスながら、履いた時に絶妙なスタイリングになります。これはBoncouraを代表するデニムにも共通しています。
万人向けというわけではありませんが、スリムな若い方が来ても、年相応の体格の人が来ても、適度にリラックスしたスタイリングが出来上がり、着用するだけで、こなれたアメリカンカルチャーの、良い部分を抽出したようなスタイルが出来上がります。
Boncouraの製品全般に言えますが、モチーフとなるアイテムを深く研究しており、生地や素材、作りに相当こだわっており、品質の高さだけでなく、着用した時に感じる着心地やスタイリング面でのちょうど良い塩梅が絶妙です。
今回、A-2 フライトジャケットのボトムとして合わせていますが、スタイリングがこなれて見えるのは、Boncouraのチノトラウザーズを選択した事も大きな要素です。
Boncouraの製品は、デニムやチノだけでなく、スエットやフィッシャーマンセーターなど私自身愛用していますので、機会があれば記事で紹介していきたいと考えています。
着用例
今回は記事中に説明付きで着用例を載せていますので、改めての着用例はありません。
組み合わせ
- A-2 フライトジャケット : Real McCOY’S
- チノパンツ : Boncoura
- スエット風カシミアニット : Brunello Cucinelli
- ポリ混紡丸首スエット : HealthKnit
- マウンテンブーツ : Brunello Cucinelli
- スニーカー : CONVERSE ALLSTAR
- ベルト : Real McCOY’S
- ニット帽 : LEUCHTFEUE
- サングラス : Ray-ban WAYFARER 90’s(BAUSCH+LAMB)
- 時計 : Rolex Day Date (1803 1969)
おわりに
今回A-2を、より普遍的な組み合わせで着てみました。前回の記事で、ボトムを細めにしたり、ストールを巻いたりすることで、A-2が持つ無骨な雰囲気を和らげて、現代的で洗練した形で着てみました。今回は、A2をより普遍的で、恐らく多くの方が良くされている形で組み合わせた着方をしています。
厳密には、選んだアイテムのブランドなどは異なると思いますが、A-2とチノトラウザーズや、丸首スエットとの組み合わせは、一つのスタンダードな着こなし方であり、私の記事以前に、実践されている方も多いと思います。
私が試した洗練というテーマより、より多くの方が実践している、スタンダードな組み合わせが優れているのは、アメリカ的な、非常に合理的な服の着方に対する考え方を元にしており、アメリカの服飾文化の奥深さのようなものを感じます。
これは服に対する考え方の一つで、あまり深く考えず、目の前にあるものを適当に手に取り、気分などで組み合わせを決めて着る、という服の着方は、ある意味、究極のコーディネイト方法であります。(私の服に対する考えの基本でもあります。私が古着やアメカジを好む理由の原点がここにあるとも言えます)
元々は、アメリカで日常的に着用されているアイテムを手に取り、組み合わせたら出来上がったスタイルで、誰が始めたわけでなく、自然と出来上がったスタイルになります。
元は、米軍が支給する、A-2や軍パン、トレーニングウエアとしてのスエットを、支給された軍人の方が、普通に着ていた組み合わせですが、そのスタイルを、後世において、映画などで見て、見た方が自然と影響され、そのスタイルを模倣し、その模倣したスタイルをさらに模倣するというサイクルが出来上がり、結果的にそれとなく普及したスタイルではないかと推測されます。
今回、米軍支給のミリタリーアイテムである、A2 フライトジャケットをテーマに着こなしを考えて見ると、最後に辿り着くのは、ルーツでもある、支給された軍人の方が普通に着ていた姿を、日常ファッションに取り入れて出来上がった、スタンダードなアメリカンスタイルが一番なのでは、と再確認出来た事が、今回の記事と撮影の収穫でした。
最後に、付け加えますと、今回の、スタンダードで普遍的な、A-2とチノトラウザーズの組み合わせは、今回のテーマの一つである、おじさん臭くならない革ジャンの着方の一つの答えであります。
チノトラウザーズにスエットにスニーカーと、誰でも出来るスタイルながら、ある程度歳を経た人間が、このスタイルをすると、良い意味で若く見え、こなれておしゃれに見えるスタイルになります。
A-2、チノトラウザーズ、丸首スエットのインナー、出来ればクラシックなスニーカーという、どこにでもあるアイテムを組み合わせたスタンダードな着方こそが、前回の記事のテーマであり、私がA-2を購入したきっかけである”おじさんの革ジャン”にならない最適な方法ではないかと再確認しました。
Shop
Real McCOY’SさんのShop紹介は前回の記事にまとめています。