タイユアタイのKitonのスーツを、久々にクローゼットから出して着てから、しばらく着ていなかったスーツやジャケットを着る機会を持ち始めています。私は、スーツを常用で着なくなり久しいので、スーツをそれほど所有していません。
元々、スーツは紺無地が好みで、所有しているスーツはほとんど紺無地です。着る機会が少なくなったスーツの中で、一番着用機会が多く、汎用性の高いBrioniの紺無地スーツを紹介します。
Brioni
イタリアの高級スーツと言って、第一候補として名前が上がるのが、今回紹介するBrioniではないでしょうか、歴史も長く、顧客には錚々たる面子が揃うイタリアのスーツ専門(現在は紳士服全般を手掛けています)ブランドです。
ローマに拠点があるBrioniは、イタリアンファッションの中心であるミラノや、独自の仕立て文化を持つ、ナポリやフィレンツェに比べ、オーソドックスで中庸なスタイルのスーツを展開しています。
服飾のスタイルには、その土地の文化や生活が色濃く反映されます。イタリアの政治の中心地であるローマという場所柄、顧客には、政治関係者も多く、またブリオーニの世界的な名声を求め、イタリアだけでなく、世界各国の政治家や、公職の方がブリオーニのスーツを身につけています。
Brioniは政治の世界や、財界人、有名俳優などが、顧客に名を連ねているイタリアの名門中の名門です。高級なスーツでありながら、社会性を重視するような著名人も愛用しています。20年以上前、当時、国連総長であるアナン事務総長がブリオーニのスーツを着用している事が、雑誌などで紹介されていました。
高価なスーツなので、高級ブランドのイメージがありますが、高価な理由が、昨今、良く耳にする、ラグジュアリーという華やかで高級感を全面に出したものというより、格式や権威を重んじている事に価値の本質があるブランドで、ゴージャスな見た目を望むというより、社会性を重視した装いを望む顧客の為に、スーツやジャケットを展開している事が本質にあります。
私も、現在のBrioniにおいてベーシックな形であるBrunico一着しか持っておらず、Brioniの全貌を把握している訳ではありませんが、ベーシックなBrunicoでも、社会性と、装いの一つの正解となる要素は詰まっています。
そのことから、Brioniのスーツは、いつどこで、どのような席で、誰とどのような形で過ごすという、スーツを身につける必要がある環境において、隙のない応用範囲の広いスーツになります。
ファッションという観点で考えると、奇抜さや、面白さの要素は薄く、中庸で、ある種お堅いスーツではありますが、使用されている生地や、全て手作業で作られている作りの良さ、着心地の良さなど、Brioniが提案する一つの答えである、男性の装いに関する哲学は、実際身につける事で、初めてその価値が理解出来ます。
ピアースブロスナン時代の007でジェームズボンドが着用していたので、007のスーツというイメージがあり、世界を股にかけるスパイであるボンドが映画の中で表現した、グローバルな場において着用する世界基準のスーツでもあります。
汎用性が高く、どこにでも着ていけて、控えめでありながら上質感も併せ持つ、BrioniのBrunicoのダークネイビーを紹介します。

我々世代で紺無地というと、リクルートスーツやフレッシュマンスーツのイメージがあります。歳をとってから着ると清潔感があり、若返る感覚もあります。社会人一年目の純粋な思いのようなものを思い出します。私のフレッシュマンスーツは、当時祖父に西武デパートで買ってもらった三陽商会が展開するダーバンの2ボタンの紺無地でした。

ラペルはイタリアのクラシックなスーツに比べるとやや細めでありゴージラインは少し高めになっています。フロントボタンが2ボタンとなっていることから、非常にベーシックで、肩や胸まわりもパッドなどで強調せずラインも中庸ですが、この中庸さに手間暇とコストがかかっています。

シンプルにBrioniのロゴが入っています。通年ものと言われる、極オーソドックスなスーツながら、総裏で、袖にブルーのストライプの生地を合わせるなど、随所にBrioniながらのこだわりがあります。
※ 記事が長いので、3ページ構成になっています。続きは以下にてご覧いただけます。
