2026年5月11日に、Xserverから正式に、サーバーのアップグレードがアナウンスされました。
現在、私が契約しているプランであるビジネススタンダードのサーバーがアップデートされます。
従来のプランで利用できるデータベースがMariaDB 10.5.xとなっています。新サーバーではMariaDB 10.11.xが利用出来るようになります。
当サイトは、WordPressで構築しています。最新版である6.9.x系を使用していますが、WordPress公式Webサイトで推奨される、必須要件は以下になっています。
WordPress必須要件
- PHP 8.3 以上
- MariaDB version 10.6 or greater OR MySQL version 8.0 or greater
- Nginx または mod_rewrite モジュールありの Apache
- HTTPS 対応
現状のサーバーでは、データベースの必須要件を満たしていないので、WordPressの必須要件を満たす為に、サーバーをアップデートする必要があります。
Xserverのアナウンスによると、新規申し込みは、全て新サーバー対応していますが、過去に契約したサーバーに関しては、契約時期により対応が異なります。
- 2026年5月11日以降の新規申し込み : 新サーバー
- 2024年6月12日11:00 以降に発行された共有サーバ : 2026年6月以降、順次、弊社にてMariaDB 10.11への更新を実施予定
- 2024年6月26日11:00 以降に発行されたマネージド専用サーバー : 2026年6月以降、順次、弊社にてMariaDB 10.11への更新を実施予定
私の契約時期は2023年なので、上記の条件には該当していません。
- 2024年6月12日以前に発行された共有サーバー : MariaDB 10.11 対応サーバーの利用をご希望の場合MariaDB 10.11 に対応したサーバー環境へ移行可能な、「新サーバー簡単移行」機能をご利用ください。
サーバー移行を自身で行うことで、新サーバーに移行できるようです。
「新サーバー簡単移行」機能を調べて早速移行手続きを進めます。
実際の移行
実際に移行手続きで行った処理については、姉妹サイトであるDrupalで構築したサイトで記事にしています。
Xserverの「新サーバー簡単移行」の実行と、MariaDB10.6.x → MariaDB 10.11.xになりDrupal 10.6.8 → Drupal 11.3.9にアップデートする過程を記事にしています。
[ #D39 Drupal Core 11.3.9 #1 環境整備 ]
[ #D40 Drupal Core 11.3.9 #2 10.6.8からのUpdate ]
記事を読むと、手間がかかったように感じますが、実際の作業はそれほど時間がかからず移行が済んでいます。
実際の移行は、旧サーバーから新サーバーに、データ丸ごとコピーを行い、DNSの切り替えまでをXserverが自動化していますので非常に簡単に移行が完了します。
時間がかかるのは、データのコピーとDNSの反映でそれぞれ数時間(実質2時間程度)で処理が完了し、完了すると、登録メールに通知が来ますので空いた時間を見つけて処理を行えばそれほどの手間はかかりません。
注意点は、サーバー名とIPアドレスが変わりますので、ローカル側のソフトウェアで使用している場合、ローカル側の設定を変更する必要があります。私が変更したのは、メールクライアントの、送受信サーバーの設定のみでした。
移行の手順は以下になります。
1.移行申請
2.実際の移行 「このプロセスは数時間かかります。」
3.移行完了後の動作確認 「問題があればここで旧サーバーに戻せます。」
4.問題なければ移行
5.DNSの切り替え
6.DNSの反映 「DNSの反映は今回の移行に関わらず数時間かかります。」
と進みます。3.移行完了後の動作確認 で問題があった場合、移行を取り消して旧サーバーでそのまま運用することも出来ます。(移行完了から14日間は、旧サーバーに戻せます)
私の場合は、Drupalを動かすために、システム領域で使うPHPのバージョンを変更しており、そのシンボリックリンクに問題があったので、修復の必要やDrupalのメジャーアップデートも同時に行ったので多少手間がかかりました。
WordPressのみの運営であれば、移行手続きのみで作業が完了します。
処理速度の向上
データベースが新しくなるので、全体の処理が早くなります。管理画面の表示速度を含めWebサイトの表示速度も上がるので、移行のメリットは十分あります。
LTS
「Long Term Support(ロングタームサポート=長期サポート)」の略称です。特定のバージョンについて、長期間にわたりバグの修正やセキュリティアップデートなどの保守サポートが提供される仕組みを指します。
今回、アップデートしたMariaDB 10.11.xですが2028年2月16日までサポートされています。
WordPressは今年 6.9.x → 7.0 → 7.1 → 7.2とアップデートしますが、今回のアップデートで必須要件を満たしています。
※ この記事を書いている途中で、当サイトのWordPressも6.9.4から7.0にアップデートしました。
ロードマップ
WordPressの具体的なロードマップと必須要件の対応状況が見つけられなかったので、Drupalのロードマップを参照します。Drupalはロードマップに具体的に必須要件も記載されています。
WordPressは、公式に今後の7.0.xの要件が公開されていませんが現状のPHP 8.3.x系とMariaDB 10.11.xで恐らく問題なく動くのではと考えています。今後PHP 8.4.xないしPHP 8.5.xに対応するする必要があるかもしれませんが、新サーバーは対応しているので問題ありません。
DrupalはPHPのバージョンを、現在使用しているPHP8.3.xからPHP8.4.xにアップデートすることで、今後リリースされるDrupal 11.4.x > 11.5.xに対応するので2028年の12月までサポートを受けられます。
参考までに、Drupalは2026年12月にリリースされる次期バージョンDrupal 12.xの必須要件がMariaDB 10.11xになります。メジャーアップデートに伴い、PHPの必須要件が8.5x以上となっていますのでPHPのバージョンアップを含めて対応する必要があります。
Drupalで使用中のCivic Themeの対応状況を見て、メジャーアップデートに対応すれば良いので、実際の対応はリリースから少しタイムラグがあると考えています。
サポート期間の延長
WordPressもDrupalもMariaDB10.11.xのEOL(End of life)を想定して開発されていますので、今回新サーバーに移行を行った事で2028年2月16日までは、セキュリティサポートを受けられます。
XserverのPHP は8.4.x 8.5.xも対応しています。必要あらばPHPのバージョンアップも問題ありません。
Xserver ビジネススタンダード
このWebサイトは、Xserverが提供する共有ホスティングプランである「Xserver ビジネススタンダード」上で動いています。当Webサイトでは、運用や技術上の記事は書いていないのですが、私が学習用に運営しているDrupalのサイトの記事で多少触れています。
上記の記事はDrupalを使う前提で書いていますが、Xserver ビジネススタンダードの真価の一つとして、WordPressとの親和性の高さがあります。元々、企業のWebサイトのホスティングを目的としていますので、企業が必要な機能は全て網羅されています。(個人向けより機能が手厚いです)
専任の技術者がいなくても、会社のWebサイトを構築し、会社のドメイン取得と管理を行い、SSLの設定やスタッフのメールアドレスを設定するといった処理は、管理画面で全て完結します。
WordPressの優れた点は、PHPとDBとApacheとSSLというサーバー要件に必須項目はありますが、サーバー側が対応していれば、ユーザーは特に意識することなくWordPressを使いWebサイトを構築し公開出来ます。
Xserverは、Webサイトを構築し運営するために必要な機能を、管理画面に用意し、非常に簡単な操作で利用出来ます。このXserverの管理画面とWordPressの管理画面のみで、Webサイトを構築し管理出来ます。
簡単な操作と応用幅の広さ
XserverとWordPressの組み合わせの使い勝手は非常に良好であり、ほぼGUI上で完結するシステムは、それほどの知識を持たないユーザーでもセットアップから運営まで行える優れたインターフェース持っています。
特筆すべきは、WordPress以外の使い勝手においてもある程度の自由度も持っています。
コンソールを使ったカスタマイズなどの設定は、公式にはサポートしておらずユーザーの自己責任において行う必要がありますが、これは他のホスティングやAWSやGCPなども同様ですので特に問題ありません。
追記
余談となりますが、Xserverビジネススタンダードなど共有サーバーで、WordPressなどのCMS上で利用するPHPと、ターミナルでphp -vで確認したPHPのバージョンが何故異なるかが疑問でしたので考察します。
異なるPHP?
WordPressやDrupalはいわゆるWeb上で動くシステムでありシステム的に考えるとWeb領域で動作します。
Xserverで考えると、WordPressもDrupalもデイレクトリは、Web領域であるpublic_html以下にインストールします。
WordPressのインストール先は
$ home/../../hooked-on01.com/public_html/wp-content
のような形でWeb領域にインストールされます。
Drupalのインストール先はサブドメインなので以下のディレクトリにインストールされます。
$ home/../../hooked-on01.com/public_html/drupal.hooked-on01.com/プロジェクト名/vender(Drupalのディレクトリ)
のような形ですが、WordPress同様Web領域にインストールされます。
Web領域のPHPのバージョン
WordPressの管理画面
サイトヘルス > 情報 > サーバー PHP バージョン 8.3.30 (64ビット値をサポートしています)
Xserverの管理画面で設定したPHPのバージョンと同一
システム領域のPHPバージョン
$ php -v
PHP 8.0.3
Copyright (c) The PHP Group
Zend Engine v4.3.30, Copyright (c) Zend Technologies
Xserverの管理画面で設定したPHPのバージョンと異なるバージョン
Xserverの管理画面から指定できるPHPはこのWeb領域で使用するPHPを呼び出しています。
システム領域のPHPは、Xserverの管理画面を動かしていたり、cron処理の更新などサーバー側の処理を行なっています。ユーザーが勝手に触るとXserverの管理画面やシステム上の処理に支障が生じてしまうため、一般ユーザーが勝手に触れないように設定されています。
Web領域のPHPのバージョンは、サーバー領域ではなくユーザーが使用するWordPressなどが指定するバージョンを使用するので、Xserverは管理画面上でPHPのバージョン指定が出来ます。
Drupalで必要なWeb領域外で使用するPHPのバージョンを上げたい場合は、サーバーにインストールされたDrupalに必要とするPHPのバージョンにシンボリックリンクを貼ることで対応出来ます。(WordPressでは恐らく必要ありません。)
詳しくは、ページ上部に記載した、Drupalの記事を参照ください。
WordPressとXserver
Xserverが優れていると感じるのは、WordPressを使いWebサイトを構築し、運営するのであれば、
- WordPressを動かす必須要件を最初から用意している。
- もし、年月とともにWordPressのバージョンがアップデートされ要件が変わってもPHPのバージョンアップは管理画面上から行えるので、コンソール操作の知識はなくても対応出来る。
- 様々な操作に簡易なテンプレートが用意されている。
- データベースの設定も管理画面から行えます。
- 他にもドメイン取得の簡単さや、ドメイン取得からWebサイト構築までのプロセスがほぼ管理画面上で行えます。
- セキュリティツール、WAFやCDNもボタンひとつで設定可能
が非常にわかりやすい事があります。
GUIの恩恵
XserverでWordPressを動かすのであれば、Xserverの管理画面と、WordPressの管理画面だけで全てが完結します。この恩恵は大きく、世界のWebサイトの43%を占めるWordPressの操作性と機能、WordPressの普及率の高さから動かすインフラの整備が進んでいる事がXserverのインフラでも実践され利用者に提供されています。
おわりに
今回、Xserverビジネススタンダードのデータベースをアップグレードしたので、懸念であった、WordPressやDrupalのEOLの問題が解決出来ました。
サーバーを旧サーバーから、新サーバーに移行する手続きを行うことで、簡単に対応出来るので、WordPressでサイトを運営されている個人や会社の方も検討されてみてはいかがでしょうか。
今回のサーバーアップデートは、使用データベースであるMariaDBのアップデートですが、EOLの対応だけでなく、新しいバージョンになることで、処理速度が上がります。
記事でも触れていますが、XserverとWordPressの親和性は非常に優れており、初めてWordPressを使う方でも挫折する事なくWebサイトを構築し、運営する事が出来る優れたインターフェースが用意されています。
私が使用するビジネススタンダードのプランは、会社での利用は勿論のこと、個人の利用でも使い勝手が良く、料金面とパフォーマンスのバランスの取れたプランになっています。
[ Xserverビジネス ]
