John Lobb Darby

Johnlobb Darby 8695 見出し
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伝統的な英国靴のスタンダードなデザインを継承している、John Lobb Darbyを紹介します。名前の通り、英国靴でダービーというと今回紹介するJohn Lobb Darbyの形を想像する方が多いのではないでしょうか。フルブローグ、外羽根、ダブルソールと言われるオーソドックスなダービーのデザインで作られている英国靴です。

見た目は無骨ながら、ジョンロブの高い技術と英国的な靴作りの哲学、エルメス資本により世界最高峰のカーフを使い作られているので、普遍的で洗練されたデザインながら、堅牢で一生履ける優れた靴になります。

前回紹介した、タイユアタイのKitonのスーツを記事にするきっかけが、今回紹介する、John Lobb Darbyの記事用の着用例の写真を撮影する為に、靴に合わせるスーツとして長い間着ていなかったタイユアタイのKitonのスーツを、クローゼットから出して着た事がきっかけになっています。

今回紹介するDarbyもスーツを着なくなってから、長い間クローゼットにしまっていた靴になります。同じく、長い間クローゼットにしまっていた、Barrosをカジュアルな形で再び履くようになり、スーツ用に履いていたDarbyやChanbordも再び履きたくなり、組み合わせが楽しめる、スーツやジャケットを普段の装いでも着ようと考えています。

John Lobbのダービーの記事を書くために合わせたはずの、久々に着たタイユアタイのスーツに対する、当時の思い出や考えなどを思い返すと面白く、年月を経た事で気がついた事が多数あり、記事の公開順序が逆になっていますが、記事を読まれる方にはスーツ > 靴の方がわかりやすいので、記事の公開順序を変えています。

John Lobbの靴は非常に素晴らしい靴で、価格は高価ながら、手入れをしながら大事に使えば一生使える靴です。長く使うことで、価値の本質がわかり、英国を含めたヨーロッパ的な文化を体験出来る真の名品です。

ジョンロブに限らず、本格的な英国靴には私がジョンロブの靴に感じる、物を大事に長く使うという、英国的な文化側面をわかりやすい形で体験できます。英国靴に興味がありましたら参考にしていただければ幸いです。

私が所有するJohn Lobbの靴は、古いJohn Lobbのベーシックなラインである、ダービーと言われる、外羽でダブルソールといった英国の田舎でのライフスタイル(カントリージェントルマン)にルーツを持つ靴になります。

無骨で実用性を考え作られた靴をルーツに持ち、男性的な要素の強い、非常に魅力的な靴でしたが、ジョンロブの昔ながらのダービーは残念ながら、廃盤となっており、現在購入することは出来ません。

Barrosの記事。

英国靴の定番である、ダービーと言われるフルブローグの外羽式の靴になります。
25年履いた靴なので、履き皺はそれなりにありますが、上質なカーフで堅牢に作られているのでそれほど傷んで見えません。
1990年代に主流であった、程よくシャープなラウンドトゥになっています。

90年代から2000年代途中まで使われていた靴箱になります。靴名、サイズ、ラスト、色、革質が手書きのマジックで書かれているのは、ビスポーク専門の靴工房であり大量生産ではないロンドンのジョンロブの雰囲気が残りどこか手作り感があります。


はじめに

今回紹介するジョンロブのダービーは、私の中で、英国靴といったらフルブローグのダービーと答えるほどスタンダードな英国靴のイメージが出来ています。黒革、フルグローブのメダリオンで、外羽、ダブルソールという靴の形が、私がイメージする英国靴になります。

通常スーツに合わせるなら、オックスフォードと言われる内羽で、プレーントゥか、セミブローグ、シングルソールの靴をイメージします。フルブローグの外羽、ダブルソールは、元々ハンティングなどで使われている靴がルーツになっておりカジュアルなイメージがあります。そのことからスーツに合わせる場合も、フォーマルなシーンでは敬遠される傾向があります。

一般的に、スーツにはオックスフォード、フォーマルならプレーントゥという不文律がありますが、日本においてドレスコードを意識するのは冠婚葬祭のドレスコードくらいであり、ビジネスなどを含め、スーツやジャケットを着るシーンにおいてはそこまでのドレスコードは意識されていません。

今回紹介する、ダービーを購入する際、当時(25年前ですが)オックスフォードのプレーントゥの定番、シティも検討しています。シティは万能な革靴であり、冠婚葬祭を含め、履いていけないシーンはない優れた靴になります。ただ、普段何気なく履く革靴として考えると、シティは私には少しフォーマルでありドレッシーに感じた為、もう少し柔らかい印象に感じたダービーを選んでいます。

若い頃、アメリカントラッドが好きで、かっちりしたスーツより、ブレザーを好んでいた事から、フォーマルなプレーントゥより、フルブローグのダービーや、Uチップを好み、所有するジョンロブの靴も、全てダービーになっています。


ダブルソール

私は、ダブルソールの外羽の靴が好きで、過去に購入したジョンロブの靴は全てダブルソールの靴を選択しています。

一般的に、フォーマルなシーンでは、シングルソールが好まれます。ダブルソールはどうしても底が厚くなり、カジュアルなイメージがあるため、正式な場でのフォーマルな装いにおいては敬遠されます。

また、シングルソールの方が、底が柔らかく軽い為、靴の反りも良く履き心地においてのメリットがあります。ただ、長時間歩くとなってくると、話が変わってきます。厚く硬い靴底は、地面の凹凸を和らげ足を保護し、適度な重さが逆に振り子の原理で歩行をアシストしますので疲れ難く、ある程度の距離を歩くことを考えると、ダブルソールにメリットがあります。

私が、ダブルソールを好んでいるのは、堅牢でしっかりした履き心地や、歩行の疲れなさといったある種の道具感や、ワークウエア的な機能性を好んでいることが大きいです。

革底のダブルソールの厚みが良くわかります。ルーツが軍用の靴から来ており、その後、ハンティングなどに履いていく事を目的として進化した為、舗装されていない道を歩く必要性から足を保護するために、皮を二重にしたと言われています。

外羽

私は、外羽式の靴が好みで、所有する革靴はほとんどが外羽になっています。理由は簡単で、オックスフォードは靴の羽根をぴったりと閉めて履くように作られています。初めてジョンロブを購入する際、内羽だと、羽が綺麗に閉まらないのではないか?と考えたことや、脱ぎ履きは外羽の方がしやすい事から外羽を選び現在に至っています。

ただ、長年ダービーを履いて感じることに、内羽も、ある程度の年月を履きこむことで身体に馴染み、開いていた羽根が綺麗に閉まるようになるんじゃないかと感じています。私の3足のダービーも、購入当初より、羽根が綺麗に閉まっています。

ジョンロブの靴は、非常に長く履ける靴です。履きこむことで、革底が適度に沈み、革も適度に伸びて馴染み、足の形に合っていきますので、オックスフォードが私に合わないということはないのではと考えています。機会があれば、ジョンロブのオックスフォードも履いてみたいと考えています。

靴紐を結ぶ穴を支える革が別の革で開いて見える事から外羽と言われています。この支える革が靴と一体化されて閉まって見える構造のものを内羽と言われています。外羽根は内羽に比べ、靴紐でフィット感を調整しやすい事と、靴の脱ぎ履きがしやすいメリットがあります。

スーツの着方も、時代により変化し、より楽に快適にスーツを着るといった方向にアパレル業界が変化しています。そのような流れから、従来のドレスシューズの作りにも変化があり、ここで紹介する従来の英国靴の伝統的な定番である、ダブルソールのダービーの製造が少なくなっています。

ジョンロブも過去には数種類のダブルソールのダービーをリリースしていましたが、現状のラインナップでは、革底のダブルソールの展開はありません。ダービーもロングノーズのマンチェスターともう少しカジュアルなスミスのみの展開となっています。

もし、革底のダブルソールを望む場合、バイリクエストでのオーダーをする必要があります。

フルブローグ

靴の種類を、調べると良く出てくる言葉にフルブローブという言葉があります。1980年代半ばから1990年代に青春時代を送り、DCブランドなどで、ファッションやジャケット、スーツなどに影響を受けた世代に分かりやすい言葉で説明すると、当時言われたウイングチップと言うと分かりやすいと思います。

靴を上から見ると、つま先にもう一枚皮が重ねてあり、Wに見えます。良くみられる装飾が、パーフォレーションと言われる鳩目穴の装飾が打たれています。記事の写真を見れば、ウイングチップでこの形の靴をフルブローグと呼ばれていると考えれば理解しやすいです。

つま先や踵にもう一枚革が重ねられ、つま先部分がWに見えます。このことからウイングチップとも言われています。穴飾りが随所にいたされています。現代においては、装飾的な意味合いが強いですが、元は雨天の際、水はじきを良くし重ねた革も浸水を防ぐために入れられたと言われています。

万能性

ルーツが、ハンティングに履く靴(ブーツ)から来ている靴なので、雨天でも問題なく履くことが出来ます。ダブルソールや、革を二重にしたつま先や踵、パーフォレーションにより、浸水に対して考慮された構造となっていますので多少の雨では問題なく履く事が出来ます。私は過去に何度も雨の日に履いています。

雨に濡らしてしまったら、必ず靴紐を外して、新聞紙かクッキングペーパーを詰め、靴全体を良く拭いて、靴全体を新聞紙かクッキングペーパーでくるみ、踵を下に壁などに立て掛け、自然乾燥させます。靴が乾いたら、ジョンロブ純正のクリームをしっかり塗り込み油分を与えます。

適切な手入れをしっかり行えば、雨でも問題なく履ける万能さを持っています。

高価な靴なので、大事に使うという観点から見れば、雨に濡らさないというのがベストではあります。私も基本雨の日には履きませんが、過去に何度も、雨に降られた事があり、かなりの豪雨にも遭遇しています。そのような状況でも、しっかり水気を取り、乾燥させクリームで手入れすることで、型崩れや革の劣化はなく25年間愛用しています。

ただ、所有するDarbyやChanbordは黒革なので、濡らしてしまってもシミが目立ちませんが、Barrosや後輩に譲ったベルルッティなどの茶靴は、シミになる可能性がありますので、雨天に履く事はお勧めしません。

良い革靴は、濡らさない方が良いのが基本ですが、ダブルソールの黒革のダービーは、最悪雨に遭遇しても適切な手入れを行う事で極度な劣化になりにくい堅牢性と実用性を持っているという例になります。

もう一点つけ加えると、革底は、元々滑りやすく、雨の横断歩道などでも滑りやすいので、ソールにラバーを張るか、滑って転ばないように気をつけて歩く事をお勧めします。

ダービーの活用

私は、所有するスーツやジャケットは、ベーシックなものが多く、スーツに限って言えば、ダークネイビーのスーツがほとんどです。少しカジュアルなジャケットとパンツもいくつか持っていますが、グレーやネイビーのベーシックなものが多いです。

今回の記事で着用例として撮影した写真は、20年前にタイユアタイで購入したKitonのグレンチェック柄のダークネイビーのスーツにボトムとしてダービーを履いています。スーツのサイズ感が現代と比べると少しルーズに見えますが、別の視点で見ると相当クラシックなスーツスタイルに見えます。

現代的なサイズ感のフォーマルなスーツよりゆったりしたクラシックなスーツとの相性が良いのではないかと考えます。私が所有するスーツで一番フォーマルな、ブリオーニのダークネイビーの無地は、ブルニコと言われる現代的なスタイルとフィッテイングであり、生地もSuper 160sとオーソドックスながら非常にフォーマルなスーツになります。

ドレスコードのセオリーから考えると、あまり相性が良くなさそうである、フォーマルな紺無地のブリオーニのスーツにも相性は悪くありません。白のドレスシャツに無地のダークタイを合わせるようなスタイルだと、少しバランスは崩れますが、サックスブルーのシャツに小紋などが入った黄色のタイを合わせたり、白シャツでもオックスフォード地のシャツにレジメンタルタイを合わせると、ダービーの機能性のあるフォルムから、オックスフォードの靴より、少し遊びの要素が生まれフォーマルさと主張が緩和し品良くまとまります。

イタリアンクラシック好きが好む、Kitonやアットリーニなどのスーツや、ナポリを始めとするイタリアのテーラーのスーツやジャケットとも相性は抜群です。ダービーの原点である文化的側面を考慮すると、英国のスーツや米国のスーツ(ブルックスブラザースやラルフローレンなど)も相性が良いです。

私個人的な意見ですが、イタリアのクラシックには、茶色のイタリアンシューズを合わせるのが王道ですが、無骨な英国靴の黒革靴を履いて、イタリア的な華美な要素を少し抑えるような装いを楽しみたい方にはお勧めです。


着用例

今回、20年前に購入したタイユアタイ別注のKitonのスーツに合わせています。20年前のスーツのサイズ感なので、現代的に考えると少しルーズでゆったりしたシルエットになります。ダービーの無骨なフォルムとクラシックなスタイルが好相性になっています。

フルブローグのダービーの普遍性からクラシックなスーツスタイルとの相性は抜群です。
20年前に購入したスーツなので裾幅も少し広いですが靴の作りの重厚さからバランスが崩れません。

ダブルソールの厚みが目立ちますが、甲のシルエットが綺麗なので、違和感がありません。

ゆったりしたシルエットのボトムとしてバランスが取れています。

Darby

  • Last 8695
  • 色 : 黒
  • 革 : カーフ
  • 靴底 : ダブルソール
  • サイズ : 7 1/2 Eワイズ

組み合わせ

  • 靴 : JohnLobb Darby
  • スーツ : Kiton (タイユアタイ別注)
  • シャツ : タイユアタイオリジナル
  • タイ : タイユアタイオリジナル

おわりに

クローゼットで眠っていたジョンロブのダービーを、久しぶりに履いて感じた事を記事にしています。途中履かない時期がありましたが、25年以上愛用している靴であり、堅牢さと普遍的なデザインにより、購入から30年近いタイムラグがありながら、当時と価値観が異なる現代の男性ファッションや装いの場に合わせても違和感がありません。

ダービーのルーツが軍用から英国のカントリーライフといった形で進化し、現在の形が出来上がっています。スーツも元は軍服や、制服から進化しているので、スーツと合わせても違和感がないのは当然とも言えます。

ダービーの機能性や堅牢性は、まさにものを大事にする英国文化を象徴するものであり、長く大事に使うという哲学を汲みしっかり使いこなす事で、ものの持つ真価を体験できます。

ジョンロブやベルルッティは価格が高価なので、一般的には高級ブランドとして認識されています。情報過多となった現代においては、高級ブランドも消費されていくものとして扱われています。

ジョンロブやベルルッティは高級ブランドとして認識されていますが、丈夫で普遍的な価値を持つ靴であるので、人生の大半を共にし、その過程においての手入れなども含めしっかり使いこなす事で、価格以上の価値を得ることができます。

今回、25年という年月を経たダービーを再度履いてみて感じた事は、本来高級ブランドとは消費されるものとは別の価値を持っているものであることを再確認しました。これは当サイトのテーマでもある長く愛せるものと事を体現出来ている一つの事例でもあります。


Shop

今回紹介したダービーを購入したのは、ジョンロブ青山本店になります。

過去の記事でも触れていますが、丸の内に移転しています。

BarrosやLawryの記事でお店の紹介をしていますのでそちらを参照ください。

JohnLobb公式Webサイト