Boncoura Fisherman Sweater
私は、古くからある、ローゲージで、厚手のざっくりとしたニットが大好きで、フィッシャーマンセーターや、コマンドセーターが大好きです。今回紹介するのは、私自身が大ファンである、Boncouraが作るフィッシャーマンセーターになります。
Boncouraは、古着やミリタリーをモチーフに、独自の解釈とこだわりで、生地どころか、糸選びから、細かなパーツにまでこだわってアイテムを作っています。記事でも紹介した、デニムの66シリーズなどは、これ以上ないくらい徹底したこだわりで、モチーフとしたLevi’sへの深い敬意と、オリジナルモデルの弱点を克服した上で、現代ファッションにも対応出来る、優れたデニムになっています。
そんなBoncouraが作るフィッシャーマンセーターも、当然、相当なこだわりで作られています。フィッシャーマンセーターの特徴である、目を詰めた編み込みにより、相当な質量であり、原毛に近いシェットランドウールで作られているため、真冬でも相当暖かいセーターになっています。
ただ、原毛に近いシェットランドウールは、毛質が固く(ジャケットやコートに使用するツイードなどで良く使われています)ニットとして着ると、肌の弱い方だと毛質がチクチク感じます。毛質に油分を含んでいるので、触った感触は少し脂分を感じます。硬い毛質のため、メリノやカシミアに比べ少しパサついた感触も特徴です。
非常に優れたフィッシャーマンセーターですが、シェットランドウールの癖を容認出来ないと、なかなか着こなす事が難しいアイテムとなっています。Boncouraは、シェットランドウールが苦手な方でも、フィッシャーマンセーターを楽しめるよう、メリノウールを使ったものや、カシミアを使ったものも用意しています。
各素材の特徴
- シェットランドウール オリジナルのフィッシャーマンセーターとなっていますので、パサついた感触と固くチクチクしますが、質感はクラシックで、着たスタイルは非常にワイルドでカッコ良いスタイルとなります。
- メリノウール シェットランドの癖を緩和して、他のニットの感覚でフィッシャーマンセーターを楽しめる優れものです。メリノの質感からシェットランドウールより上品に見えます。
- カシミア 着心地が極上でカシミアが持つ質感も最高です。質量からカシミアが贅沢に使われており非常に暖かく快適です。
Boncouraのフィッシャーマンセーターは上記の3種類を展開しています。
私は、カフェオレと言われる、ブラウンのシェットランドウールのタイプと、今回紹介する、カシミアを贅沢に使ったホワイトのフィッシャーマンセーターの2枚を愛用しています。
実際には写真で見た以上に、厚く質量があり、非常に締まった形で編んであるので、使用しているカシミアの量も、通常のミドルゲージのカシミアニット3枚分くらい使っている、非常に贅沢なフィッシャーマンセーターになります。
フィッシャーマンセーターのシルエット
Boncouraの服作りの凄さに、オリジナルアイテムを現代のファッションとしてどう消化させていくか?というセンスが抜群です。Boncouraが作るフィッシャーマンセーターの特徴に、袖をラグランスリーブにしています。
従来のフィッシャーマンセーターの特徴に、目を詰めた編み込みを行う事で厚く暖かいセーターとなっていますが、編み込みの構造上、曲線のラインを作るのが難しく、どうしても、着た時にスッキリしたシルエットになり難い事があります。
この特徴(ざっくりと着るフィッシャーマンセーターらしさでもあり魅力でもあります。)を、現代的に着こなせるように、袖をラグランスリーブにして、肩から胸のあたりのラインを、スッキリしたシルエットにしています。この辺りの工夫も、Boncouraらしいこだわりでもあり、この工夫は、展開するデニムの皺が綺麗に入るシルエットの工夫にも共通しています。

ざっくりとしたフィッシャーマンセーターですが、良質なカシミアを贅沢に使い、厚く高密度で編んでいるため、真冬でも一枚で過ごせてしまう暖かさです。

定番商品であるシェットランドのフィッシャーマンセーターを贅沢にカシミアで仕立ててています。
はじめに
私は、昔からあるクラシックなものが大好きで、子供時代に親世代が着ていた、フィッシャーマンセーターも大好きなアイテムです。フィッシャーマンセーターは、イギリスの漁師が、防寒着として着ていたニットにルーツを持っており、目を詰めて厚く編み込んだセーターになっています。
フィッシャーマンセーターは、非常に好きなモチーフでありますが、難点として、全体的にボリュームがあるセーターなので、現代のファッションとして考えると、そのボリューム感から、ちょっと着膨れしてしまうイメージがあります。
またボリューム感のあるスタイリングから、重ねて着れるアウターが限られてしまうので、着る機会が限られてしまうところがあります。
私も歳を取ったことで、服の着方に対する考え方も随分と変化しています。従来であれば、真冬は必ずアウターを着るという不文律のようなものが出来上がっていましたが、真冬でも、寒くなければ別にアウターを着なくても良い、と言った考え方に変化してきています。
そのような服の着方に対する変化から、着る機会が限られてしまう為、敬遠していたフィッシャーマンセーターを愛用しています。このような考え方を、私に与えてくれたのが、今回紹介する、Boncouraが展開するフィッシャーマンセーターになります。
真冬の厳冬期でも、首都圏の日中の気温であれば、アウターがいらない暖かさですので、休日の散歩で重宝します。
余談ですが、ダウンジャケットを着る機会が減ったのも、服の着方に対する考え方の変化でもあり、首都圏の冬ではダウンジャケットを着込むと、結構暑く、オーバースペック気味でもある事が起因しています。(最近また、ダウンジャケットも着たいと考えています。)
Boncouraの服作り
他の記事でも紹介していますが、Boncouraの展開する服が大好きで、いくつかのアイテムを愛用しています。Boncouraの服の良さに、ヴィンテージアイテムに対する深い敬意から、細部に渡るまで徹底してこだわった作りがあります。
Boncouraの作りの良さは当然ながら、エイジングに対する考え方も優れており、長く愛用すると、自然で状態の良いヴィンテージアイテムのようなエイジングをしてくれます。
Boncouraが展開する各アイテムは、サイズに対する考え方が寛容で、誰でも、Boncouraのこだわりを活かした、素敵なスタイルを作り上げられるサイズ展開をしています。そのことが着こなしの間口を広げてくれます。
Boncouraのサイズ展開
サイズに対する考え方が寛容というのは、私が所有しているデニムの66などで感じています。私はBoncouraが展開する66のデニムが好きで、インディゴは30inchと32inch、カットオフした夏用のデニムは32inch、先染めしたブラックデニムは32inch、ホワイトデニムは30inchのものと5枚を愛用しています。
色が異なるとは言え、一つのシリーズのデニムを5枚買ってしまう理由は、そのサイズ展開にあります。30inchが2枚、32inchが3枚と敢えて異なるサイズを買っており、ジャストではなく、ワンサイズ大きな32inchを選んでいるのも理由があります。
Boncouraのサイズ展開の考え方に、ジャストサイズは従来のデニムと同様の考え方で身体にフィットするようになっており、ワンサイズあげても、従来のデニムほど、大きく見えない工夫がなされています。
66の記事で触れましたが、Boncouraのデニムの特徴に、厚手のデニム生地を使い、皺が入る位置が絶妙に計算されており、この皺が綺麗に入ることから、履きこむ事で非常にカッコ良い色落ちが生まれます。この相乗効果として、皺が綺麗に入ると脚がすっきり見えてスタイルが良く見えます。このカッコ良い色落ちを楽しみたい場合はジャストサイズのものを選び皺をきっちり入れながら履くのがおすすめです。
ワンサイズ上げると、皺は入りますが、ジャストサイズほど強く皺が入りません。この皺が綺麗に入るため、ワンサイズ大きなデニムでも脚がスッキリと見えます。私は、インディゴ染めの66は、色落ちを楽しむ為の30inchを履き込み、色落ちはほどほどでもう少し普通に履けるようにもう一本32inchを所有しています。
カットオフデニムは夏に履くため、少し緩めの方が履きやすい事もあり32inchを選んでいます。ブラックデニムは、ヒゲやハチノスと言った色落ちより、全体的に綺麗な色落ちをさせたいので32inchを選び、ホワイトデニムは色落ちが関係なく、皺が綺麗に出た方がシルエットが綺麗なので、ジャストサイズの30inchを選んでいます。
同じアイテムでも、サイズを変える事で、シルエットや、スタイリングを変えて楽しめる事も、Boncouraのアイテムの特徴であり、少しこだわったエイジングによる色味や、スタイリングを楽しみたいなら、ジャストサイズを選び、もう少しリラックスしたスタイリングを楽しみたいなら、ワンサイズ上げれば楽しめます。
サイズ展開も、色々な体型の人が楽しめるように、良く考えられたものとなっています。この事で、歳を取り体型が崩れてきても、体に合ったものを選べるサイズ展開になっており、Boncouraが提案する、力が抜けながらも、拘ったスタイルが楽しめます。私のように、敢えてワンサイズ上を選択しても、スタイリングが崩れずリラックスしたスタイリングが楽しめるのもBoncouraならではのこだわりであります。
今回紹介するフィッシャーマンセーターも、デニムと同じような考え方でサイズ展開をしています。選択したサイズによりシルエットが異なりますので、好みのシルエットで選択する事も出来ます。
フィッシャーマンセーターが持つ質量やボリュームから、かなり大ぶりな造りをしており、特に身幅やアームホールはゆったりしています。シェットランドは私のジャストサイズである38を選び、カシミアは少しタイトに着たいので36を選んでいます。

今回、写真をあまり撮れなかったのですが、定番のシェットランドウールのフィッシャーマンセーターも愛用しています。こちらは38なので少しゆったり着ています。下の写真の、サイズが36のカシミアのフィッシャーマンセーターに比べて少し身幅が広く余っているのがお分かりになると思います。

36サイズを選ぶと、上のシェットランドウールのフィッシャーマンセーターのサイズ38より少しタイトに着こなせます。
今回、シェットランドの、フィッシャーマンセーターの写真をあまり撮らなかった理由に、まだまだ着込みが足らず、硬さが残っていることがあります。購入してから5年以上経っていますが、それほど着込んでおらず、今年に入り着用機会が多くなっていて、今まさに着込みとエージングの最中であることが紹介を控えた理由になります。
もう少し着込んで、馴染んできたら記事にしたいと考えています。
一般的には、質感を含めた着心地も良く、金額も高価になる、カシミアのフィッシャーマンセーターが最高の一枚ですが、原始的で数百年前から続くオリジナルに近く、硬さや肌触りは決して良くないながらも、時間をかけて着込む事で自分に合ったものになる、シェットランドのフィッシャーマンが最高の一枚になるのではないかと考えています。
元々、作りが頑強で、長年の使用に耐えうる、フィッシャーマンセーターだから成り立つ話でもあり、John Lobbなどの靴と同じ質実剛健で物を大事にするイギリスの物作りの哲学を感じます。
この事は、洋服の価値は、金額だけでは判断出来ないという事を実感出来る、貴重な体験とも言えます。このようなアイテムを普通に作り販売している事も私がBoncouraを愛する理由になります。
フィッシャーマンセーターの着こなし
今年は、これまでのデニムメインの服の着方以外に、ベージュや茶色を上手く使ったアイテムを着こなせればと考えています。今回紹介するカシミアのフィッシャーマンセーターは、ホワイトではありますが、所謂オフホワイトというよりベージュに近く、リラックス感のある絶妙な色となっていて、組み合わせやすいことから大活躍しています。
写真では伝わりにくいと思いますが、Boncouraのフィッシャーマンセーターは、密度の高い編み込みと、ニットとしてはかなり厚い作りなので、気温10度くらいまでは、下着とフィッシャーマンセーターだけで過ごせてしまいます。このような温度環境の時に、ベージュのパンツや、Boncouraが展開するカーキのチノトラウザーズを合わせて楽しんでいます。
ベージュのパンツや、チノトラウザーズを履くようになると、デニムでは合わせなかった、John Lobbの靴が大活躍します。私は3足の表革を使ったJohn Lobbが展開するダービーの靴と、スエードのブーツを1足愛用しています。ダービーの1足がタバコカラーのBarrosであり、スエードブーツがダークブラウンのLawryになります。他の2足のダービーは黒なので、スーツか、クリースの効いたもう少しフォーマルなパンツに合わせています。
今回、ボトムは、John LobbのBarrosとLawryを合わせています。バランス的にはBarrosがちょうど良いのですが、Lawryのスマートな形ながら、スエードで靴の存在を薄めたスタイルも捨てがたい魅力があります。
フィッシャーマンセーターの着こなしのコツは、フィッシャーマンセーターのみで快適に過ごせる気温で楽しむ事で、寒さを考え、アウターを用意するような環境では、フィッシャーマンセーターの厚さやボリュームを考慮する必要があり、少し難易度が高くなってしまいます。
私は、フィッシャーマンセーターのみでは寒く、もう一枚アウターを重ねる必要がある場合、M65を重ねて着る事が多いです。これはM65のアームホールの太さが、フィッシャーマンセーターのアームの太さでも動きにくくならない事が大きいです。機会があれば、M65と合わせたスタイルも紹介したいと考えています。
以下に着用例の写真をいくつか紹介します。私がモデルさんのような優れたルックスではないので参考にならないですが、雰囲気は掴めるのではないでしょうか。
着用例

全身をベージュ系のトーンでまとめると非常に上品に纏まります。今年活躍の機会が多い、Visvimのジャーマンコーズを使った細身のコットンパンツに、John LobbのBarrosを合わせています。上着を着ていませんが、気温10度くらいまでならこれ一枚で大丈夫であり、動くと軽く汗ばんでくるほど暖かいです。

Boncouraのチノトラウザーズを合わせています。ボンクラのチノトラウザーズの色味や質感が絶妙で、この組み合わせが中庸ながら一番着やすい組み合わせです。ボトムに合わせたJohn Lobbのバロスの茶色がちょうど良いアクセントになっています。

ボンクラのチノトラウザーズは、吊るしのままで裾のカットはしていませんが、レングスもちょうど良く、足を組んでも靴下が少し見える程度で肌が見えることはありません。

上下Boncouraのアイテムで合わせていますが、一番まとまりが良いスタイルになります。チノトラウザーズは32inchと私の標準である30inchよりワンサイズ大きめですがそこまでワイドにはならず、綺麗なシルエットが出ています。

ボトムをJohn Lobbのチェルシーブーツの定番、Lawryのダークブラウンスエードに変えてみます。スエードのマットな質感が足元の主張を一段控えめ抑えてくれるのでより洗練された感じになります。

チノトラウザーズの丈がちょうど良く脚を組んでも肌が見えません。ベージュにカーキ、マットなダークブラウンの色味は洗練された大人の雰囲気が出ます。この雰囲気はこれまで私がしてこなかったスタイルですが、今後少しづつ取り入れていきたいスタイルです。

私のサイズは本来38ですが、フィッシャーマンの身幅が広いので36を選び少しタイトに着ています。
ディテール
- カシミアフィッシャーマンセーター : カシミア100%
- シェットランドフィッシャーマンセーター : シェットランドウール100%
- シングルラグランスリーブ
両セーターとも毛を贅沢に使い目を詰めて編み込んでいます。
組み合わせ
- カシミアフィッシャーマンセーター : Boncoura
- シェットランドフィッシャーマンセーター : Boncoura
- チノトラウザーズ : Boncoura
- 5ポケットコットンパンツ : Visvim
- 帽子(グレー) : LEUCHTFEUE
- サングラス 黒 : 999.9
- サングラス 茶 : Ray-ban WAYFARER 90’s(BAUSCH+LAMB)
- ベルト : Hender Scheme
- 靴 焦茶チェルシースエードブーツ : John Lobb Lawry
- 靴 茶色Uチップ : John Lobb Barros
おわりに
大好きなアイテムながら、中々、着る機会を持てなかったフィッシャーマンセーターですが、私自身の服に対する考え方の変化により、着る機会が増えています。理由は様々ですが、服に適した温度で楽しめば良いという、ある種の割り切りが一番大きいと考えています。(気温に適した服の選択とも言えます。)
私自身も服の着方に、ある種の万能性を求めているところがあります。この万能性とは、真冬の朝、日中、深夜でも大丈夫な服を選ぶということであり、気温差が、5度から場合によっては10度以上も異なる環境でも大丈夫な服を選択しようとすると、最低気温である早朝の気温に合わせた服となってしまいます。
最低気温を基準に着る服を選ぶと、どうしても暖かいアウターが基本となってしまいます。このような服の着方は秋冬シーズンの基本でもあり間違えではありません。
このような服の着方では、ボリュームのある作りであり、アウターを着る事をあまり考えられていない、フィッシャーマンセーターの出番はありません。
Boncouraのフィッシャーマンセーターは、デザインや質感が好みで購入したのですが、私の冬の服に対する考え方が上記した万能性を基準にしていたため、購入からしばらくはあまり着る機会を持てていませんでした。
環境変化により、服のことも考えずにいた反動から、今年は少し服を着る事を楽しもうという意識が出てきています。しばらく時間を空けた事で、私の服に対する考え方が変わって来ています。
過去にはあまり考えた事のない、何処で誰と会うために服を選ぶという意識や、温度などの環境に合っていればOKで最低気温や最高気温だけを基準に服を選ばないことなど、これまでとは異なる意識で服を楽しんでいます。
この意識の変化により、着る機会のなかったフィッシャーマンセーターが大活躍しています。
Boncouraの服作りの基本に、新品時の良さだけでなく、購入後、時間をかけて服を育てていく事が強く意識されています。これは、デニムだけでなく、今回紹介する、フィッシャーマンセーターでも感じます。私自身、過去に購入したものは大事に扱っていて、20年以上前に購入したものでも普通に身に着けられるアイテムが結構あります。
Boncouraが展開するアイテムは、現在において着ていても素晴らしいのですが、20年くらい経ったら非常にに魅力的なエイジングをしているだろうとも考えています。
購入後、5年くらい、あまり着る機会のなかったフィッシャーマンセーターですが、私の心境の変化から、突然着る機会が増えています。元々、非常に頑強で、長年(歴史的には数百年というレベルでデニムより歴史が長いです。)人々に愛されて来たものなので、今後、愛用する時期と少し距離を置く時期というサイクルはあると思いますが、非常に長いサイクルで楽しめるなと考えています。
Shop
今回紹介したBoncoura Fisherman Sweaterは、Post78さんで購入しています。
Post78さんは、服好きの店主がこだわった上質で、長く楽しめるアイテムを多数扱っていて私もここで良く買い物をします。また、買い物の際、服好きの店主とファッション談義をするのも楽しみになっています。