A2 Deck Jacket

A2 Deck Jacket 001
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私はミリタリーアイテムが好きで、フィールドジャケットを愛用しています。過去に紹介したフィールドジャケットは、一枚仕立て(M43,M47,ブルネロクチネリ)ないし、薄いライナーが着いたもの(M65)となっています。

フィールドジャケットの構造上、真冬にメインのアウターとして使用するのは、防寒的に難しく、もう少し暖かいミリタリー系のアウターとして着用するのが今回紹介するA2 Deck Jacketになります。

A2 Deck Jacketは、米海軍が洋上の甲板作業の防寒着として採用したもので、防寒用のアクリルボアをライニングに使用しています。そのため、真冬の着用でも風を通さず、アクリルボアのおかげで保温性が高く暖かいので、冬季に着用する機会が多いアウターになります。

デッキジャケット

米海軍が1940年代に甲板作業用に開発したN1デッキジャケットを1960年代に改良し採用されたのが、今回紹介するA2デッキジャケットになります。N1デッキジャケットとA2デッキジャケットの大きな違いは、1940年代の時代背景から、ナイロンやポリエステル素材の開発途上の為、N1デッキジャケットは、コットン素材とラインニングにアルパカを使用した天然素材で作られています。

A2デッキジャケットが開発された1960年代は、素材面の進化により、ナイロンやポリエステル素材が普及し始めます。初期ロットはコットン素材はそのまま使用し、ライニングをアルパカからアクリルボアに変更しています。その後の改良で、コットン素材を、よりメンテナンス性と耐久性を持たせた、コットンポリエステルの混紡素材に変更しています。

私が愛用するA2 デッキジャケットは、1978年製になり、コットンポリエステル素材と、ライニングがアクリルボア、ファスナーが、真鍮製になります。

M65などと同様、本物の軍服であり、機能性が高く、無駄を配したストイックなフォルムは、非常に男性的で、デニムにラフに羽織るでけでも雰囲気が出来上がる非常に便利なアウターです。

フィールドジャケットとの違いは、ライナーのボアの厚みから、着用感がタイトでシルエットが膨らみやすく、フィールドジャケットに比べ、厚みのないインナーを選んだ方が着心地も良くシルエットが崩れません。

海軍が甲板作業用に採用したので、目的が軍用の作業着であり、ポケットの形状やエポレット無しなどフィールドジャケットとディテールが異なります。

インナーのボアがしっかりしており、厚めのコットンポリエステル素材が風を通さないので、冬でも暖かいです。


はじめに

A2 Deck Jacket

A2デッキジャケットは、1960年代初頭から1990年代まで米軍にて正規採用されたデッキジャケットです。

特徴は、フィールドジャケットのエポレットやフラップポケットなど戦地で両手をなるべく使いやすくする機能が簡略化されており、採用目的であった、海軍の甲板作業に必要十分な機能で作られています。

洋上での作業が目的なので、フィールドジャケットより、着用機会の気温が低くなる事を考慮し、ライニングにアクリルボアを張ることで保温性が高くなっています。

M65が、戦地での着用を目的としており、環境変化への対応で着用と脱着をあまりしない前提で作られていることと対照的に、甲板作業なので、作業中は着用し、船内に戻り暖かかったら脱着するという前提から、甲板作業の寒さを凌ぐことを前提に、ライニングにアクリルボアを採用しています。

フィールドジャケットと比べ、元が作業用防寒着なので、インナーが厚くなり、少し着膨れしやすい特徴と、フィールドジャケットにある機能的なポケットなどを配したシンプルなディテールになっています。

M65の記事で書きましたが、M65が割とゆったりしており、厚手のインナーを着込んでもシルエットが崩れにくいのですが、A2 デッキジャケットは、インナーのボアがあり、厚手のインナーを着込むと、動きにくく、厚手のフォルムから、着用時のシルエットが着膨れしやすくなってしまいます。

M65に比べ、後のファッション業界によるフォロワーの数はそれほど多くないのですが、復刻版を展開しているブランドもあります。ただ原点であるN1がアイコン化され、復刻アイテムが展開されている事に比べ、N1の進化と大量生産を目的として作られたA2の復刻アイテムはそれほど見かけません。

A2 デッキジャケットは、本物の軍服なので、ハードなイメージがあります。防寒を目的とした作業着なので薄めのインナーでも暖かく、寒くなる冬場に重宝するアウターです。厚くしっかりした作りにより、どのようなインナーを組み合わせてもA2 デッキジャケットの癖が出ますので、その癖を活かして着るのがおすすめです。


DecK Jacket.

私は、フィールドジャケットの機能美が好きで、デッキジャケットをあまり着用する機会はなかったのですが、真冬になるとフィールドジャケットでは寒いので、代わりに着ることが出来るミリタリーアイテムとしてA2デッキジャケットを選んでいます。

M65の記事でも書きましたが、M65はアームホールが太いので、インナーに厚手のニットを着込む事が出来る為、寒さを凌ぐ事が出来ます。M65より暖かいアウターを着たいと感じた日にA2デッキジャケットを選ぶ形で楽しんでいます。

アウター選択というより、気温でインナーをもう少し薄手にしたいような日にA2デッキジャケットを着る機会が多いです。

M65の記事

N1を含めたデッキジャケットの特徴に、インナーのライニングによる厚みと、作業着として採用されているので非常にシンプルなフォルムがあります。M65の機能美でもあるフラップポケットやエポレットなどの付属パーツがない分、見た目の癖がなく、M65に比べミリタリーウエアを着用している感が薄い事も特徴です。

インナーのライニングに厚みがある為、着用時に皺が出来にくく、のっぺりとした見た目と、少しふっくらとしたシルエットにより好みが別れるアイテムでもあります。

Middle70s.Model

今回紹介するA2デッキジャケットは、1978年製のモデルになります。A2デッキジャケットのフォルムは、M65のように年代による違いはあまりなく、初期の素材が、コットンツイルから、コットンポリエステル混紡になったくらいで、基本的なフォルムは継続されています。

A2デッキジャケットは、インナーの首元にタグがついており、タグの内容を確認すると、米軍が支給した年代や、サイズなどを知る事が出来ます。下のタグの画像に記載されているDLA-100-78-C-9882がコントラクター情報(納入情報)で100-78の78が製造年を表しています。

A2デッキジャケット78年モデルの特徴として

  • シンプルな襟
  • 3ポケット
  • ジッパーとボタンでの開閉
  • ブラスジッパー
  • アクリルボアのライナー
  • 防寒用袖口リブ
  • 裾のサイドアジャスター
  • 背中のステンシルプリント(表記からUSN:米海軍支給)

以上の特徴があります。

タグには、洗濯に関する注意、サイズ、管理番号、コントラクター番号、コントラクター名が表記されています。DLA-100-78の78が製造年になります。

防寒を目的としているので袖にリブがついています。

ファスナーは真鍮製でTalonのものが採用されています。

両脇下に身幅を調整可能なアジャスターがついています。

A2 デッキジャケットの特徴に、ステンシルと言われる所属部隊などを識別する為のプリントがされています。様々なパターンがありますが、私のA2 デッキジャケットは、ステンシルを消す為のスプレーがされており、元の所有者か、後に手に入れた所有者が、このステンシルを判別出来ないようにしたのでは?と考えています。上段のUSNは判別出来ますので、US NAVY(米海軍)支給であったことはわかります。

Combination

A2 デッキジャケットの特徴に、作業用防寒着として作られているので、フィールドジャケットに比べてふっくらしたシルエットになっています。また、着丈もフィールドジャケットに比べ短いことも特徴です。

カーキ色が、デニムとの相性が抜群である事をはじめ、デニムだけでなく様々なインナーやボトムと組み合わせを楽しめます。

フィールドジャケットとの違いで一番感じる事は、アクリルボアのインナーの為、身幅もアームホールも細く感じます。その為、厚手のインナーを着込むと、動きにくさと着膨れしやすい事が特徴です。

インナーに合わせるのは、軍用のサーマルTシャツが一番しっくり来ます。私はリアルマッコイズが復刻している米陸軍が採用していたサーマルTシャツを愛用してします。生地の厚さと、ハニカム構造により空気を含みますので、ニット並みに保温性が高い事と、コットン素材なので静電気が発生しにくい特徴もあります。

軍用のサーマルTシャツは、厚手のコットン生地ながら、シルエットはかなりタイトなので、着膨れする事なくA2デッキジャケットを着る事が出来ます。

スエットと合わせてもアメカジの王道スタイルとしてまとまります。ただ昨今のスエットはアームホールが太くなっているので、A2デッキジャケットのインナーに着ると、肩から腕周りが窮屈に感じます。私はあまり気にせず、チャンピオンのリバースウィーブなどと合わせて楽しんでいます。

色がカーキなので、デニムやチノなどと合わせやすく、中に着るアイテムの厚さやサイズに気を配れば、配色などには寛容なアイテムであり、アクリルボアのおかげで、サーマルTシャツとA2デッキジャケットのみでも冬場の日中であれば十分な暖かさです。

今回チャンピオンのリバースウィーブと軍用サーマルTシャツを合わせていますが、着心地やスタイリングはサーマルTシャツに分があります。前を締めないのであれば、スエットでも楽しめます。

私はやりませんが、インナーにスエットなどを着る前提で、ジャストより一回り大きなサイズを選ぶと窮屈さと着膨れは緩和されます。

春先や秋口であれば半袖Tシャツでも楽しめますので、真冬の防寒用としてではなく、初冬や初春に気軽に羽織るアウターとして楽しめば、着膨れや窮屈さを感じることなく楽しめます。

A2デッキジャケットは米軍支給期間も30年以上と長いため、出回っている古着の個体数も多く、比較的手に入れやすいアイテムです。カーキ色の本物のミリタリーウェアなので、ラフに羽織るだけで、ワイルドなイメージやストイックなイメージが作り出せる優れたアウターです。


着用例

(1) デニムとスエットでの組み合わせになります。

Levi’s501XX 1954の記事

デニムはLevi’s 501XX、インナーはチャンピオンのリバースウィーブ、足元はWhite’sのセミドレスを合わせています。A2デッキジャケットとスエットの組み合わせは、アメカジの王道的な着方なので、私だけでなく多くの方がされているスタイルです。

リバースウィーブの身幅やアームホールがゆったりしているので、動いた際に多少の抵抗感がありますが、私は気にせず着用しています。フロントを閉めると膨らんだシルエットになりやすいので、あまりフロントを閉めずに着る事が多いです。

Levi’s501XX 54sのボトムとチャンピオンリバースウィーブをインナーに合わせています。リバースウィーブのゆったりしたシルエットから腕周りと肩周りが少し窮屈に感じますが、スタイリングはそれほど崩れません。

前から見たコンパクトなシルエットに比べ、後ろ姿は少しゆったり見えます。

インナーに着た現行のチャンピオンリバースウィーブになります。私が愛用していた頃(1990年代初頭)に比べ、身幅が広く丈が短くなっています。30年ぶりくらいに着たのですが、着心地も良くデニムとの相性は抜群で、一枚持っていると重宝するアイテムです。

(2) インナーをサーマルTシャツに変えてみます。

スエットとの組み合わせが、ボリューミーなトップとなっていますので、スタイルを変えて、インナーにタイトなサーマルTシャツを着てみます。

サーマルTシャツはリアルマッコイズが展開する、米陸軍が採用していたハニカム地のアンダーウェアを復刻したものを選んでいます。かなりしっかりした作りと生地感で、保温性も高く、下着感がないので、一枚で着てもスタイリッシュにまとまります。

サーマルTシャツの弱点として洗濯を繰り返すと伸びて型崩れしてしまいますが、リアルマッコイズの復刻アイテムは、リアルでありながら現代的な着用を考えモディファイされており、サーマルTシャツも型崩れしない工夫がされています。

型崩れしないとは言いながらも、ハニカム構造のTシャツは伸びやすいので、洗濯をしたら平干しをするのがおすすめです。

本格的なミリタリーのアイテムを組み合わせるので、相性は良く、全体のバランスも整います。ただ少しミリタリーのコスプレ感が出ますので、ボトムはデニムやチノでバランスを取るとまとまりが良くなります。

リバースウィーブよりタイトな軍用サーマルTシャツをインナーに合わせます。こちらはリバースウィーブで感じた腕周りと肩周りの窮屈さは感じません。
フロントを閉めてもタイトなサーマルTシャツのおかげで着膨れ感はありません。

全体のシルエットは、リバースウィーブよりサーマルTシャツの方がスッキリまとまります。

写真では伝わりにくいですが厚手のサーマルTシャツですのでかなり暖かいです。リアルマッコイズの復刻ですので本物の米軍仕様に近いしっかりした作りです。

(3) ボトムを変えてみます。

ボトムを501より細めのVisvimのスリムフィットデニムに変えてみます。501より現代的なシルエットになります。501との組み合わせがアメカジ的にまとまるのに比べ、細身のシルエットからモード的なストリートファッションのような雰囲気にまとまります。

今回はしませんでしたが、サーマルTシャツの裾をデニムのベルト上に置き、デニムのディテールとベルトを見せる事でボトムの面積が広がり、足が長くスッキリしたスタイルになります。

最後に、90年代の褪色した501とリバースウィーブを組み合わせています。私のデニムの好みは、色が少し濃いものですが、褪色しシルエットも少しルーズな90年代の501との組み合わせも普遍的で合わせやすい組み合わせです。

全体のシルエットが細身になるのでより現代的な組み合わせになります。

トップのボリューム感は501と変わりませんが、細身のボトムの視覚効果から全体シルエットがより締まって見えます。

90年代の褪色した501を合わせるとよりアメカジ的な雰囲気が出ます。


ディテール

  • A2 Deck Jacket
  • 1978年製
  • 生地 : コットンポリエステル混紡
  • ライニング : アクリルボア
  • ブラスジップ
  • 3ポケット
  • 袖口リブ有り
  • 背中のステンシル有り
  • サイズ Medium

組み合わせ

  • デニム : Levi’s 501XX 1954製
  • デニム : Visvim
  • デニム : Levi’s 501 1990年代製
  • スエット : チャンピオン リバースウィーブ
  • サーマルTシャツ : Real McCoy’s
  • ブーツ : White’s セミドレス
  • ニットキャップ : パタゴニア

おわりに

真冬に気軽に着用出来るミリタリーアイテムとして選んだ、A2 デッキジャケットを紹介しました。

カーキ色の防寒機能がついた作業着というのが、私の印象で、フィールドジャケットのような機能美的なディテールがない事がA2 デッキジャケットの特徴です。そのことで、M65のような、見た目からミリタリーアイテムといった印象は薄いのですが、防寒を第一に考えられているアイテムなので、肌寒さを感じた時や、真冬に着用するアウターとして着ることが多いアイテムになります。

M65などフィールドジャケットが、温度変化に対してレイヤードで対応(様々なアイテムを重ねて着る事で温度管理をするという発想)に対し、洋上の甲板作業が目的で、防寒用アウターとして作られているA2 デッキジャケットは、インナーに着込むと着膨れしやすい特徴があります。

A2 デッキジャケットの着こなしのコツとして、インナーは薄手で暖かいものを選び、出来れば、フロントを閉めずに着る事で着膨れせずにスタイルをまとめる事が出来ます。

昨今、ルーズフィットがトレンドとなっていて、レギュラーフィットやタイトフィットのインナーを探すのが難しいのですが、A2 デッキジャケットのインナーは、レギュラーフィットやタイトフィットを選択する方が全体のシルエットは綺麗にまとまります。

若い方であれば、トレンドでもある、オーバーサイズのA2 デッキジャケットを選び、インナーやボトムもルーズフィットでまとめてもシルエットが綺麗にまとまりますが、ある程度の年齢の方がオーバーサイズでシルエットを作ると、だらしなく見えてしまいますので、出来ればジャストサイズで着こなす事をお勧めします。

A2 デッキジャケットはアクリルボアがライナーにある為、ウールやカシミア、ポリエステルの起毛などをインナーに選択すると、静電気が結構出ます。私は、A2 デッキジャケットのインナーとして、コットン素材のサーマルTシャツやスエットを着る事で、静電気の発生を緩和しています。

A2デッキジャケットは、米軍の採用目的である、防寒を念頭に考えると、ラフに楽に楽しめるアウターですので、着膨れと動きにくさを避ければ、あまり細かな事を考えず楽しめる優れたアウターになります。


Shop

今回紹介したA2 Deck Jacketは、Post78さんで購入しています。
Post78さんは、服好きの店主がこだわった上質で、長く楽しめるアイテムを多数扱っていて私もここで良く買い物をします。また、買い物の際、服好きの店主とファッション談義をするのも楽しみになっています。

Post78

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