CIOTAのジーンズ
CIOTAの気負わないリアルヴィンテージ。Levi’sをリスペクトしながら、程よく距離を置く、優れたストレートデニム
はじめに
日本のものづくりは素晴らしく、高品質は当たり前で、ヴィンテージをリスペクトする衣類にもそのクォリティが反映されています。今回紹介するCIOTAのジーンズは、501で言う66期のテイストを反映させたテーパードが効いたストレートジーンズです。インディゴの染料にこだわり、適度に履いた501の66モデルのちょうど風合いが出来あがった感じをうまく表現しています。
今回写真を撮影してみると501XXの青いインディゴの色落ちと違いが解らないほどのこだわりようで、状態の良いヴィンテージジーンズを気負わずにサラリと履けるような世界観を持っています。
気負わず履ける事は重要
CIOTAのジーンズを紹介してくれたお店のスタッフさんが、商品説明を詳しくしてくれた際、ブランドの商品作りやコンセプトに、こだわってはいるけど、そのこだわりを表にあまり出さず、今の時代感の中でサラリと気負わずに着れる事があり、このお店のコンセプトも同じような商品をセレクトしているとの話をいただいて、実際のお店に並んでいる商品を見てなるほどと納得しました。
CIOTAの商品が、80年代中盤の学生や若い人が普通にしていたファッションをモチーフにしていると聞き、今回紹介するジーンズ以外の商品に目を向けてみるとコットンポプリンの白シャツや、裏地のないコットンの紺ジャケット、少しだけルーズなパーカーなど思い出すと懐かしい展開をしています。
80’sジーンズの価値観
当時雑誌のポパイで、Levi’s501に白シャツを着て、紺ブレザーにタッセルというスタイルが紹介されていて、これの象徴がポールウエラーだった事を思い出します。当時は501と言っても新品や、中古(ヴィンテージと言う意識はなく古着)で、現代のように501が骨董的な価値を持ち、年代毎の作りの違いを意識しているのとは別の価値観で501を履いていた事を思い出し、今にして考えると、現代の501などのヴィンテージ市場は確かに整備されていますが、それがなかった時代は、年式とか価値でなく、ディテールや、時代が求めた要素で501を選んでいた事を今更ながら思い返し納得します。
その前の70年代がフレアやブーツカット全盛でファッション業界がヒッピー文化に変わる新しいものとして、ストレートジーンズの501を選んだのも、歳をとり当時を振り返るとなるほどと理解出来ます。
当時なかったジーンズのこだわりを取り入れた面白さ
501のインディゴ染めなどの要素をかなりマニアックに入れながら、501のディテールがそれほど重要視されてなかった時代をテーマに商品を作る事で、良く見ると随所にこだわった要素が入っていながら、その事に意識がいかないような面白い作りをしたジーンズになります。
その事が、気負わずに履ける、実はこだわりぬいた状態の良いヴィンテージジーンズといった印象になっています。
私は、洗濯も気にせず、夏場も普通に履いていて、非常に使用頻度が高いジーンズになります。気負わずに履けると言ってますが、履くと非常にカッコ良く、今回撮影で、自分の履いた姿を見てみて、501XXやLee101Zと比べても遜色のない素敵なジーンズです。
着用例
パーカーや、クルーネックのトレーナーも非常に素晴らしい作りで、薄手で軽く仕上げていますので真冬以外はジーンズ同様気負わず愛用しています。
ディテール
- タテ糸には本藍でロープ染色した中白糸
- ヨコ糸には超長繊細綿・スビンコットンを使用
- 旧式力織機(シャトル織機)で、通称“耳付き”と呼ばれるセルビッチデニムに仕上げています。
- ボタンフライ
組み合わせ
- パーカー : CIOTA
- Tシャツ : Wasow size M
- Denim : CIOTA Tapered 5 Pocket Pants(Real Indigo) ウエスト30inch:レングス32inch
- 靴 : New Balance : 1700
- 帽子 : Fresh service
- 時計 : Rolex Sub Mariner 1680(1972)
- サングラス : Ray-ban WAYFARER 90’s(BAUSCH+LAMB)
- ベルト : The Real Mccoy’s
おわりに
有名なLevi’sやLeeでなく、海外ブランドでもない日本の小規模なブランドながら、日本のものづくりの良さを最大限に活かし、過去の歴史にリスペクトしながら現代的にアップデートされ、デザイナーさんのスタンスが、作りはこだわりながらも気負わずに着れる程よいヴィンテージテイストで作られたCIOTAのジーンズ。
特別なジーンズという要素を前に出しすぎていないので、普段から履く機会も多く、夏場も洗濯を気にせずに履ける優れたジーンズです。CIOTAは、Tシャツやシャツ、ジャケットやパーカーなど、アメリカ古着のアイコンをCIOTA独特の程よい力の抜け方で、ジーンズ同様作りはこだわりながらもディテールのこだわりを前に出しすぎない、気負わず着れる洋服の展開をしています。普段近所の買い物から、普通のお出かけまで幅広い活用範囲のある優れた服作りをしています。
Shop
今回紹介したCIOTAのジーンズは、東京にあるTFさんというセレクトショップで紹介され購入しています。TFさんも今回紹介したCIOTA 同様、商品の作りにはこだわりながらも、そのこだわりを出しすぎない気負わずに着れる日常着をコンセプトに、商品のセレクトをしています。
歩道の幅がそれなりにある道沿にお店があるので、都会の人通りが多く雑多とした雰囲気ではないゆっくりした空気感の中で買い物が楽しめます。
住宅地にある小粋なお店
店員さんも気さくで、センスも良く、お店もそこまで大きくはないので、店内の商品は徹底的にこだわりしっかり把握されていてどの商品について尋ねても、詳しく説明してくれます。普通の商品に見えながら作りが非常にこだわりのある作りで、手に取って、試着してみると、なるほどと納得する品揃えです。
Made in Japanの面白さ
扱う商品は国内を中心に、ベーシックながら、こだわりやひねりの効いた商品展開で、どの服を選んでも控えめなセンスの良さがあり、目立ちすぎないセンスの良い日常着を探している方におすすめのお店です。
私は今回紹介したCIOTAのジーンズ、パーカーの他にCIOTAの白シャツ、紺ジャケット、パラブーツの別注のライトブラウンのスエードのシャンボールや、SUNYのメガネを購入しています。
お店のTFの由来が、お店が入居する前のテナントが豆腐屋さんだったという面白いエピソードも、スタッフさんから教えていただきました。