Dior Over Shirt (Black Denim)

Dior オーバーシャツ
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13.5オンスの厚めの生地で作られたヴィンテージ加工をしたデニムシャツ。Diorらしい直線的なカッティングながら、着るとスタイルが良く見える絶妙なスタイリングとなっています。

Dior Over Shirt (Black Denim) ヴィンテージ加工されたブラックデニムシャツ
Dior Over Shirt (Black Denim) Diorのロゴが入った皮パッチ

はじめに

20年前エディスリマン期のDior Hommeのシャツやニットをバーニーズニューヨークで購入し愛用しましたが、加齢とともに着る機会が減り後輩に譲った以降、縁のなかったDiorのアイテムを20年ぶりに購入し最近良く着ています。

今回はデニムシャツを紹介しますが、ピーコートやスリムジーンズなども購入していますので別記事で紹介します。私の現在のスタイルに何故Diorと私自身が感じていましたが、実際に着てみるとしっくりくるのは、優れた作りは当たり前でありDior独自のスタイルをしっかり構築しているトップメゾンだからと感銘を受けています。

Diorと言えば、愛用者にモードの帝王カールラガーフェルドがいます。初老に近くファッション業界の重鎮でもあるカールラガーフェルドが何故当時無名であったエディスリマンが構築したDiorを愛用したのかの意味が、還暦が近くなった自身が着用することで理解できた事も収穫です。(あくまで私見と想像ですが)


Dior Homme

1990年代半ばから2000年代初頭、過去のアイコン的なブランドの再構築が一つのブームになりグッチのトムフォードやルイヴィトンのマークジェイコブスに始まり、ドルチェアンドガッバーナやジルサンダーなどテイラーリングを起点に持ちながらファッションに新たな価値観を取り入れた新しいブランドが世に認められはじめメンズファッションがそれまでの格式や伝統といったものから遊び要素や見せる要素を取り入れ社会的なブームに変わっていきます。

その中で、メンズを展開していなかったDiorがエディスリマンを迎えメンズラインを展開していきます。当時レディスはジョンガリアーノが構築的で華やかな世界を展開していたのでDiorのメンズラインがどのようなものになるかファッション業界が注目します。

Dior Hommeというラインを新たに作りコレクションを発表します。エディスリマンの無駄を廃したミニマルな世界観は衝撃的でした。基本が黒、グレー、紺でスタイルは無駄を配した非常にスリムで直線的なラインでまとめられ、シルエットを一言で言えば細長い長方形のラインを構築しています。他のブランドが新素材やテイラーリング技術を駆使して立体的に身体のラインを構築していく(ウエストシェイプした逆三角形のシルエットなど)とは正反対のアプローチをとっていました。

エディスリマンのDiorはファッション業界に衝撃を与えます。その象徴的な出来事の一つがシャネルやフェンディのデザイナーでありモードの帝王とも呼ばれたカールラガーフェルドがDior Hommeのスーツを自身のユニフォームのように常時身につけ人前に登場します。

モードの帝王がDior Hommeのタイトなスーツを身につけるために、40kgもの減量を行った事など衝撃的な出来事でありモードの帝王が肉体改造を行ってまで身につけたいと考えるインパクトがあったのです。

当時のDior Hommeのアイテムは当時良く通ったバーニーズで提案され購入しましたが、シャツやニットなどが多く、アウターになるものや後にアイコニックなアイテムになるデニムは当時の感覚では細すぎると感じ私が購入することはありませんでした。

当時のDior Hommeの私の印象は、タイトで直線的なラインが先進的で、ミニマルで非常に尖ったモードを意識した服と感じていました。私の当時の感覚からおしゃれだけど着るのがちょっとかったるいといった印象で、私が常時着たいと考える服ではなかった事があります。

Diorの服に対する印象がそのままであったので、私がDiorの服を着るというのは考えた事がありませんでした。

還暦を超えてDiorを身につける?

生活環境の変化でしばらく服を買うこともなかった中、久しぶりに何か買おうと後輩とファッションの話をします。その時後輩から出た言葉が

”還暦でDiorの服をさらりと着ていたら素敵だよね”

といった話になりその時にカールラガーフェルドの逸話などが出てきます。

現在の私の好みからDiorなどのハイブランド(この言葉はあまり好きではなく敬意をこめるならばトップメゾンといった方がしっくり来ます)に全く興味がなかったのでノーチェックでしたが、Webサイトをチェックしどのような展開をしているかに興味が出てきます。

初期のDior Hommeのイメージを残しながら、普遍的なアイテムを高いクォリティで展開している事がわかります。その中で気になったアイテムが今回紹介するデニムシャツになります。

別記事で紹介しますが、デニムシャツ以外に、ピーコートとスリムフィットのブラックデニムも購入しています。

Diorのオーバーシャツ

文頭で述べたDior Hommeのイメージはしっかりと残っています。当時とあまり変わっていないスタイルで多少のトレンドは入っていますが直線的でミニマルなイメージは残っています。ヴィンテージ加工をしたブラックデニムですのでチノやワークパンツをはじめ、501などのデニムにも相性が良い優れたデニムシャツになります。

昨今、ビンテージ加工がレーザーで行えるようになり、今回紹介したデニムシャツもレーザー加工によるビンテージ処理がなされています。トレンドを取り入れた少しオーバー気味のサイズ展開なので、トレンドを意識してルーズに着るならジャストサイズ。少しタイト目のスタイリングを意識するならワンサイズ下を選ぶとしっくりきます。

私は通常46サイズが標準ですが、 今回紹介するDiorのオーバーシャツは44サイズを選んでいます。

同色のダブルニーのデニムワークパンツとセットアップで着るスタイルがDiorの提案ですが、私はセットアップでなく、カーキやベージュのクリースがないコットンパンツに合わせて楽しんでいます。

今回の撮影では、ディッキーズのブラウンが褪色しリペアを行ったワークパンツに合わせて着ています。

元々デニムシャツは大好きで、5枚をローテーションで着ています。インディゴのものばかりなので今回手に入れたブラックのデニムシャツは重宝します。

真冬は、下にニットを着て、それでも寒かったらダウンのベストを着用すれば真夏以外は着用出来る優れものです。機会があれば、また真冬のスタイルを撮影したいと考えています。

形はデニムシャツですがオンスが重く、シャツというよりGジャンに近いのでアウターとしての使用が多くなります。一見普通の厚手のデニムシャツですが、作りは流石トップメゾンであるDiorのクォリティで作られており、お店でハンガーにかけた状態で見た状態と実際に着てみた印象は良い意味で異なる立体的な仕上げになっています。

ボタンを閉めて着ても、ラフに開けて着てもスタイリッシュに見える優れたデニムシャツです。


着用例

ディッキーズのペインターパンツと合わせています。
後ろからのシルエットもウエストが少しだけ絞られシャープにまとまっています。
フロントボタンを閉めてシャツ的に着てもシルエットが綺麗で身丈は現代的に短くなっています。
リーバイス501などと合わせてもまとまりが良いです

ディテール

  • コットン100%
  • ヘビーウェイトデニム – 13.5オンス
  • レーザー色落ち加工
  • ヴィンテージ加工

組み合わせ

  • デニムシャツ : Dior
  • Tシャツ グリーン : Dolce & Gabbana
  • Tシャツ オレンジ : Burberry Prorsum
  • ペインターパンツ : Dickies (New Air Vintage)
  • Denim : Levi’s Vintage Collection 1947 One Wash
  • 帽子 : LEUCHTFEUE
  • 時計 : IWC Mark11 RAF
  • サングラス : Oakley
  • ベルト : The Real Mccoy’s
  • 靴 : Visvim

おわりに

還暦を迎えてDiorを素敵に着こなすといった話から購入したDiorのデニムシャツになります。Diorのイメージから連想するモード的な着方というより私が常用する古着のデニムシャツを普通に着る感覚で着ています。Diorの優れたデザインやスタイルから、リペアが多数入ったワークパンツと合わせても非常にファッション的な面白さが感じられます。

カールラガーフェルドが何故エディスリマンのDiorを好んだかという意味ですが、エディスリマンのDior Hommeから繋がるDiorのメンズラインには共通してストリートファッションの要素が含まれていて、ストリートファッションの解釈がマッチョなスタイルというより内省的でどこか線の細さや脆さのイメージがあります。

この線の細さや脆さというのは悪い意味ではなく思春期や青春期の男性って必ずこの要素を持っています。この線の細さのイメージがスリムで細長い長方形のシルエットとリンクしています。このイメージやスタイルは思春期の男子であり若さであるのですが、カールラガーフェルドはこの若さを求めた(インスピレーションとして)とも考えられもう少し深読みをするとDiorの服に永遠の若さを感じたのではないかと考えています。

この意見はあくまで私の私見ですが、今回還暦が近い私がDiorの服を着て感じたのは、なんとなく少年的で内省的な思春期のような感覚があり、そのことからカールラガーフェルドがDiorを着ることで精神的な意味での永遠の若さを手に入れたのでは?と感じています。


Shop

今回紹介したデニムシャツは、銀座SIXにあるハウスオブディオールギンザで購入しています。今回、事前にものを見せていただき後日購入に伺ったのですが、購入を前提に購入日の予約を入れたことで、空いていた個室のオーダー用スペースに通されゆっくりと購入しています。

興味のあるアイテムを担当の方に伝えると話をしたアイテムだけでなく着回せそうなアイテムも同時に持ってきてくれて実際の着用イメージを持ちながら選ぶ事ができました。

担当の方も非常に親切で、服飾に長く関わっている方なのでスタイリングのアドバイスも的確でファッションに関わる雑談なども楽しく非常に満足出来る買い物になりました。

店内も広く、メンズレディースとも展開しておりバックやアクセサリーも充実していますので休日奥様と覗いてみてはいかがでしょうか。

Dior公式サイト

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