IWC Mark11 RAF(Royal Air Force)

IWC Mark11
Fashion

英国空軍に納品され英国空軍が所有し隊員に支給されたIWC Mark11 RAF(Royal Air Force)1948年製。通称”ブロードアロー”本物のミリタリーウォッチです。

IWC Mark11 RAF 1948年製
IWC Mark11 RAF 1948年製

IWC Mark11 RAF(Royal Air Force)について

IWC(INTERNATIONAL WATCH CO)が1940年代後半、英国国防省より依頼を受け制作したMark11、本物のミリタリーウォッチで、高い軍用スペックを持っています。この時期に受注を受けたのがIWC(INTERNATIONAL WATCH CO)とジャガールクルトの2社で、依頼内容が、航空時計としての高い精度と耐磁性と防塵性を持たせる為のインナーケース、黒文字盤にアラビア数字と夜光による視認性の高さで当時この技術を持っていた2社が採用されています。

英国空軍での使用を前提に作られているので、Royal Air Forceを略してRAFと言われています。戦時中より英国国防省から依頼を受け軍用時計を納品をしていた12社が納品した軍用時計はダーティーダースと呼ばれ文字盤にブロードアローと言われる紋章が入っています。戦時中は前モデルのMark10を国防省に収めていたIWCが航空機用に制作し納品した本物の空軍用の時計であるIWC Mark11を今回紹介いたします。


IWC Mark11の魅力的なミリタリースペック

今回紹介するMark11は1948年に英国空軍から依頼を受けIWC(INTERNATIONAL WATCH CO)が制作した航空機用の軍用時計になります。特徴としては、耐磁性と防塵性、防水性と見やすい黒文字盤に白いアラビア数字、夜行塗料、航空時計としての高い精度があり、耐磁性と防塵性の為に二重構造(インナーケース採用)となっています。

私の個体はTマーク(トリチウム夜光)のマークが入っていますが、1948年初期にラジウム夜光で作られたものを1962年以降に英国空軍からの依頼で交換されたものと言われています。(この辺りは推測になります。)私の個体は48年製造になりますが、この当時はラジウム夜光なのでTマークは後の変更で追加されているというのは納得です。

私がこのMark11に興味を持ち実際に手にいれて、使うようになった経緯ですが、元々パイロットウォッチとして作られ軍用スペックで非常に頑丈な作りをしていること、シンプルな黒文字盤で視認性の高さと、NATOベルトが非常に似合う(本物ですので当たり前ですが)事、元々IWCの時計が好きな事とマークシリーズを一本欲しいと思っていた事があります。

IWC Mark11のインナーケース

作りの中で、インナーケースの採用がありますが、この技術が後のインジュニアに引き継がれていくストーリーや、ダーティーダースの経緯、ブロードアローのストーリーなど、語りだすと色々な話が詰まった時計でありその事にも魅力を感じていた事もあります。

Mark11の製造は長く1948年から英国国防省の採用が完了する1981年まで製造され、その後1984年の民生用の製造が完了するまで作られています。英国空軍だけでなくオーストラリア空軍やニュージーランド空軍、南アフリカ空軍にも納品され、民生用も作られていてそれぞれの良さがあります。一旦製造が中断しますが1994年にMark12が発表され、以降製造が続けられ、現在Mark20となっています。その中で、実際に軍用として作られたMark11は非常に魅力のある時計です。

販売していたお店に伺った際、お店のスタッフさんの対応の良さと色々な会話、実際のものの良さが決めてになっています。アンティークやヴィンテージと言われるものの購入の際、この人、このお店から購入したいと思う事は非常に重要で、このMark11もその条件に添い購入に至っています。

36mmの小径ながらちょうど良いステンレスのケースに、使い勝手を考慮した大きめなリューズ、見やすい文字盤と、NATOベルトによる装着性の良さが、使用頻度を上げ、ジーンズは当然ながら、ミリタリーのアウターから、Tシャツ一枚まで幅広く合わせて楽しんでいます。

私のMark11より前の世代である第二次世界大戦中の通称”ダーティーダース”はコレクターの方も多くその中からお気に入りの一本を所有する方から、所謂12社が製造した12本をコンプリートしてしまう強者まで幅広く楽しめるアンティークウォッチですので、興味のある方は色々調べてみると、お気に入りの一本が見つかり楽しめると思います。

IWCの時計はRolexと比べると一般の認知がないので、時計について声をかけられる事はほとんどないのですが逆にマニアな方から声をかけられるとかなり長い話になるのも歴史的にいくつかの逸話があるIWCならではの面白さです。


着用例

ヴィンテージジーンズとの相性は良好
ヴィンテージジーンズとの相性は良好
IWC Mark11とM47の組み合わせ。
IWC Mark11 RAFとM47
IWC Mark11 RAFとLee101Z 50sとの組み合わせ。
IWC Mark11 RAFとLee101Z 50sとの組み合わせ。

IWC Mark11の写真はPhoto Galleryにもありますのでご覧ください。


ディテール

  1. Mark11 (6B346)
  2. 年式 1948年支給 後にトリチウム夜光に交換
  3. ケース ステンレス
  4. ブレスレット NATOストラップ(現行品 黒)
  5. 風防 プラスティック風防(プレキシグラス)
  6. 文字盤 黒 アラビア文字盤針はトリチウム夜光(わずかですがしっかり光ります。)
  7. 手巻キャリパー Cal.89

好きな点

  • シンプルな3針の手巻きは使い勝手が良好
  • 本物の軍用時計の機能美
  • 視認性を意識して作られた文字盤の見やすさ
  • リューズが大きいので巻き上げのしやすさ
  • 36mm径の使い勝手の良いサイズ
  • 後のMarkシリーズに続くデザインの普遍性
  • NATOベルトの使い勝手の良さとそのバランスの良さ

気になる点

  • 防水面は現行のような防水は期待出来ない事
  • 巻き上げの節度感は、現行品のようにはいかないが非常にしっかりしている事
  • 以上の問題を考えても現行品にはない独特の雰囲気がありあまり気にならない事

おわりに

私に限らず、男性はどこかミリタリーものが好きで、私の場合、ミリタリーのアウターが好きなのでそれに合わせて軍用時計が欲しいと思い手に入れたIWC Mark11、実際に英国国防省に納品され英国空軍に支給された本物の軍用時計が持つ、機能美やストーリーがあり、1948年に支給というかなり古い個体ながら、実用性が高い事も愛着につながり使用頻度も高く楽しんでいます。


Shop

私のIWC Mark11 RAFは東京表参道にあるダズリングさんにて購入しています。こちらのお店は過去にイギリスと日本でお店を営んでいて、アンティークに対する考え方もイギリスのコレクター的な視点も持ち合わせながらの商品を展開しています。扱っている時計は、なるべくオリジナルであることにこだわり、見栄えを良くする目的でのパーツ交換は行わず、なるべくオリジナルの状態を維持しながら通常の使用が出来るような状態を維持した時計をメインで扱っています。

古いものを大事に残していくヨーロッパ的なアンティークの文化をしっかり継承しているお店になります。お店もヨーロッパ的な非常に洗練された雰囲気ながら、スタッフの方は気さくで、居心地の良い空間になっています。かなり古く、レアな時計も扱っていて、後の修理も心配ですがこちらのお店は、パーツがなければ、一から作るといった対応もしてくれるので、購入し愛着のある時計が長く楽しめる安心感もあります。ヨーロッパの古い車のレストアのようなスタンスも日本のお店ではなかなか見かけない非常に面白いお店になります。

当然、扱っている時計の目利きも素晴らしく、なかなか見かけない時計や、非常に価値の高い時計から、普段楽しめるようなそこまで高価ではないものまで、一貫したクォリティを持ち、ヨーロッパ的な価値観のセレクトも素晴らしく、場所柄ファッション関係の方も利用するので、時計だけでなく、ファッションとしての時計といったセレクトも魅力的で男性だけでなく女性も楽しめると思います。

私が、IWC Mark11 RAFを購入した際、対応いただいた女性スタッフの方も、非常に親切で、時計を見ながらファッションの話や、趣味の話など色々してくれて、非常に楽しい時間を過ごしながらの購入体験となっています。

ロレックスもスポーツモデルではなく、もう少し古い年代のものや、IWCやオメガ、ルクルト、ハミルトンやスミス、レマニアのクロノなどアンティーク時計が好きな方は、ずっと眺めていても飽きない時計がセンス良くディスプレイされていますので、表参道や原宿に来たら一度足を運んでみる事をおすすめします。

アンティークウォッチ専門店ダズリング

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