John Lobb Lawry

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前回のBarrosの記事で触れましたが、25年ぶりにJohnLobbの靴を購入しました。購入した靴はJohnLobbを代表するブーツであるLawryになります。Lawryは、サイドゴアタイプのチェルシーブーツになります。王道はブラックのカーフですが、私はダークブラウンのスエードを選択しています。

デニムや、最近好んで履いている、ベージュ系のパンツとの相性からダークブラウンのスエードを選びました。

25年ぶりにJohnLobbの直営店での購入となりましたが、ものの良さは当然ながら、25年前に感じた、JohnLobbの店舗で実践している、腕の良い靴職人から、本当に自分に合った靴を購入する感覚は、25年という長い時を経ても変わっておらず、懐かしさと同時に、変わらぬ哲学に感銘を受けています。

今回は、JohnLobbを代表するブーツであるLawryを紹介します。

Barrosの記事で今回購入した丸の内店にも触れています。

John Lobb Lawry
前回紹介したBarrosと異なり、よりモダンでロングノーズとなった7000ラストにより、甲からつま先にかけてシャープに見える洗練されたシルエットです。
John Lobb Lawry
スエードが柔らかいので、写真ではわかり難いのですが洗練されたフォルムが美しいブーツです。

はじめに

ブーツは複数所有していながら、持っているものは、つま先の丸いワーク系のブーツばかりで、革靴の流れを汲む、チェルシーやサイドジップなどのブーツは所有していませんでした。ブーツながら、スーツなどにも合わせられるフォーマルな形なので私のカジュアルなスタイルには必要性を感じなかった事が理由になります。

私のファッションに対する考え方が少し変化したことで選択したのが、今回紹介する、JohnLobbのチェルシーブーツであるLawryになります。今やJohnLobbのスタンダードなラストである、7000番のラストで作られているブーツなので、私が所有する、古いJohnLobbの靴に比べ、甲からつま先のラインがスッキリと洗練されたシルエットのブーツです。

カジュアルなファッションでの使用を考え、王道のブラックカーフではなく、ダークブラウンのスエードを選択しました。スエードのカジュアル感がありながらも、作りやフォルムはJohnLobbの靴なので、スーツにも合わせられる洗練されたフォルムを持っています。

前回の記事で紹介したUチップのBarrosに比べ、甲からつま先にかけてのカーブが少しシャープで洗練されたフォルムとなっています。そのことで、スエードながらカジュアルになり過ぎない上品なシルエットが生まれます。ブラックカーフも非常に洗練されていますが、私の個人的な感覚ながら、デニムやチノパンに合わせると少し堅いイメージになってしまう為、ダークブラウンのスエードを選択しています。(ブーツのフォルムは光沢があるブラックカーフの方が綺麗に見えます。)


Lawry

Lawryは10年前にも一度購入を考えていて、ブラックのスエードが欲しかったのですが、ラインナップには存在せず、バイリクエストというメードトゥオーダーの形で注文する必要があります。

JohnLobbのバイリクエストは30%程度のアップチャージが必要になります。春先にバイリクエストフェアのような形でアップチャージなしでのオーダーが可能になるサービスを展開しているのですが、どうしても都合がつかず、結局購入しないままになっていました。

最近、友人と、後輩のお祝いにベルルッティの靴を贈ったのですが、自分も何か革靴を買おうと考えていました。過去に欲しかったJohnLobbのLawryを考えていて、通常のカーフでも良いかなとも思い、一度ものを見たいので、JohnLobbの丸の内店に伺います。

丸の内店に伺い、カーフのLawryを見せてもらいます。平日の遅めの時間に伺ったので、奥のビスポークなどで使用する個室が空いており個室に案内してくれます。

スタッフの方から、過去に購入履歴があればサイズの案内がしやすいとのことで、25年前の購入なので、履歴は残ってないかもしれないとことわりを入れ、名前と電話番号を伝えます。スタッフの方が直ぐに確認してくれて、顧客名簿に登録が残っています。スタッフ曰く、過去に購入されているダービーが8695ラストの7ハーフなので、Lawryのサイズも7ハーフで大丈夫ですと、7ハーフのブラックカーフのLawryを持って来てくれます。

早速試着してみますが、サイズは7ハーフで全く問題ありません。フォルムの綺麗さや履き心地は素晴らしく、ブラックカーフのLawryで良いかなと考えますが、スエードの展開はあるかと尋ねたら、ダークブラウンの展開があるとの事で、在庫を確認してもらいます。丸の内店には、7ハーフのダークブラウンスエードのLawryの在庫はないので、どのようなものかが確認できるよう、サイズ8のダークブラウンスエードを持ってきてくれます。

少し大きいのですが、どのような雰囲気かがわかるように、試着してみます。試着の時に、スエードはカーフより柔らかく、履きやすい事が確認出来ます。鏡の前に立って、雰囲気を確認しますが、ブラックカーフより柔らかくカジュアルなイメージでありこちらの方が好みなので、ダークブラウンスエードのLawryに決めます。

サイズは7ハーフで問題ないので、ダークブラウンスエードのLawryの取り寄せをお願いします。

この時、スタッフに、革底にラバーを貼ることは可能かと確認すると、ジョンロブ丸の内店でも対応出来るとの事です。昔のイメージだと、革底にラバーを貼る対応をJohnLobbの直営店が行うなど考えられず隔世の感を感じます。

JhonLobb丸の内店

ジョンロブ丸の内店のスタッフとの会話で、今回伺った丸の内店は、2回移転していませんか?と尋ねたら、丸の内店を最初にオープンした場所から一度仲通の反対側に移転し、最近現在の店舗の場所に移転した経緯を教えてくれます。

私の購入履歴がかなり古い(25年前)ので、みなとみらい店と、外苑にあった青山本店で購入した旨を伝え、当時の店長さんの話になります。対応していただいたスタッフの方も、その店長さんと仕事したことがあり、私の記憶にある柔和な人柄ながら、革オタクでJohnLobbの靴が大好きな方と伝えたら、スタッフの方も納得しています。

JohnLobbの靴の魅力を熱く語る、当時の青山本店の店長さんでなかったら、私のJohnLobbの靴に対する意識も変わっており、今現在JohnLobbを所有し愛用していたかもわからないと伝えると、当時の青山本店の店長はJohnLobbの愛好家を日本に増やした伝道師のようなところもあった方との話になります。

当時のジョンロブは、高級な靴ではありましたが、今ほどの値段ではなく、高級ブランドというより、靴職人が手間暇をかけて作る最高の靴というイメージがあり、バブル以降、バブルで目の肥えた日本人に紹介された、海外にある優れたものの一つです。

また、それまでの日本人の革靴の選び方を根本的に変えるきっかけにもなっています。日本でスーツにオックスフォードのプレーントゥが一般化するのも、JohnLobbやエドワードグリーンなどの英国靴の影響が大きいのではないでしょうか。

今回対応いただいた、丸の内店のスタッフさんも、ジョンロブの靴に対しての知識だけでなく、顧客毎の利用状況や利用シーンを含めてアドバイスをしながら提案してくれています。また、ジョンロブの靴を購入する際に良く話題に上がる、ラストの違いについてもわかりやすく説明してくれます。

ベルルッティでも述べていますが、JohnLobbも25年前の購入履歴をしっかりと残していました。革靴はサイクルが非常に長いアイテムなので、一生使う方も多く、顧客の管理の時間サイクルが非常に長いのも、一流の靴店の特徴です。ベルルッティやジョンロブは当然、一度購入した顧客の履歴はしっかりと残して管理されています。

私の過去の購入履歴を把握してくれているので、Lawry同様、所有している3足の革底にラバーを貼ることが出来るかを尋ねると、靴の状況を確認し、革底がオールソール(ソール交換)でなければ、メンテナンスで革底を整えラバーを貼るのでそれほどの料金や納期がかからないとの答えをもらいます。シューツリーを入れたジョンロブの靴は結構重いので3足を一度に持ち込むのは大変なので、時間を見つけて一足づつ持ち込むことを伝えます。

過去に靴好きがジョンロブを例えた比喩である、ジョンロブは人を殺せるが、ベルルッティでは人を殺せないという話も、(堅牢でシューツリーを入れると結構な重量になるジョンロブなら、撲殺の凶器に出来るが、ベルルッティは皮も柔らかく、シューツリーを入れても軽い為、撲殺の凶器にはなり得ないという例えで一時話題になった両者を表す比喩)なんかの懐かしい話も交え楽しい話題が弾みます。

JohnLobbの靴も価格帯は相当高価であり、ベルルッティと同様高級なお店です。両者の違いは、ベルルッティは高級ブランド的な接客が基本にあり、その上で靴を扱うので、顧客に寄り添った非常に親切で気遣いの行き届いた対応をしてくれます。ジョンロブも店構えや扱う商品は高級ブランド的ですが、もう少しアットホームな対応が基本であり、高級な靴というより、作りの良い靴を顧客に提供するというスタンスが強く、商品の説明も見た目やステータス感のようなものより、ラストによる履き心地の違いや、用意された靴の利用環境などの話が多く、顧客の用途に応じ提案を行い、顧客に合った靴を選んでいくような対応になります。

両者とも、アパレルに精通しているスタッフが対応するので、身につけているものや、好きなものなどの話をしながら靴選びをしてくれます。この時の会話も服や靴が好きな方には非常に楽しめる至福の時間となります。

ベルルッティより、ジョンロブの方がビジネス用途での利用が多いので、スーツなどフォーマルな装いに関する話題が得意です。英国(実際はフランス資本ですが)の、ファッションというより装いを基本にしているので、話題に上がるスーツやシャツなどもベルルッティよりコンサバなものの話題が多いのも特徴です。

Lawryの試着と、取り寄せの手配、革底にラバーを貼る手配などを進めながら、JohnLobbの靴や、過去の店舗の話、当日身につけていたファッションの話など話がはずみます。

丸の内店での、スタッフとの会話も、25年前に青山店で感じた、本当に良い革を使い、熟練の靴職人が丁寧に作った靴を顧客に合った形で提供し、長く愛用してもらうといったスタンスが感じられ、非常に心地よい体験となりました。

購入とメンテナンス

選んだ、ダークブラウンのスエードのサイズが、丸の内店になかったので、取り寄せとなりましたが、週末を挟み数日で丸の内店に届き、そのまま、工房に持ち込み革底にラバーを貼る作業をして頂きました。約1週間程度で、受け取り可能となり、自宅への配送も可能との連絡をもらいます。

Lawryの受け取り時に、相談していた、Barrosのメンテナンスを持ち込む旨を伝え、後日再度伺います。工房より上がってきたLawryの試着も問題なく、ラバーも綺麗に貼ってくれています。Lawryを受け取り、当日持ち込んだBarrosのメンテナンスと靴底にラバーを貼る作業をお願いします。スタッフの方が状態を確認し、オールソールの必要はなく、メンテナンスと靴底にラバーを貼る作業の見積もりと大体の納期を出してくれますが、非常に良心的な価格なので問題なくお願いします。

この時、Barrosのシューツリーが古いタイプのものでしたので、スタッフの方も懐かしいといった話題が上がります。

John Lobb Lawry
トゥからヒールまでの曲線が美しく、この曲線は見た目の美しさより履き心地を良くするために出されています。
John Lobb Lawry

スエードで表革と比べ光沢感がないのでフォルムがわかり難いですが、オーソドックスなチェルシーブーツながら甲からつま先のカーブをはじめ踵から土踏まずで一旦くびれて指の付け根で膨らみ、つま先に向けて細くなる綺麗な曲線カーブとなっています。

John Lobb Lawry
踵部分の膨らみから足首にかけてのカーブが実際に履くと絶妙なフィット感となります。
John Lobb Lawry
写真は撮りませんでしたが靴箱は赤紫色となりシューツリーの形もより使いやすいものになっています。
John Lobb Lawry
購入時に靴底にラバーを貼ってもらいました。このことで革底では滑るような床でも問題なく履く事が出来ます。

着用例

今回、チノトラウザーズと、細めのコットンパンツにLawryを合わせています。ベージュ系のパンツの方が相性は良いのでデニムとの合わせはしていません。

John Lobb Lawry
靴のみで見るより、実際に履くと洗練されたフォルムが良くわかります。
John Lobb Lawry
チノトラウザーズより細めのパンツと合わせてもバランスが良く上品な組み合わせになります。

Lawry

  • Last 7000
  • 色 : ダークブラウンスエード
  • 革 : スエード
  • 靴底 : シングルソール
  • サイズ : 7 1/2 Eワイズ

組み合わせ

  • 靴 : JohnLobb Lawry
  • チノトラウザーズ : Boncoura
  • ニット : Boncoura
  • 5ポケットパンツ : Visvim

おわりに

今回、25年ぶりにジョンロブの靴を購入しました。時代も変わり、オーソドックスで時代に左右されない英国靴だけでなくトレンド的な靴もラインナップされており、当時より高級ブランド的なイメージがありましたが、実際にお店に行き、商品を手に取り、試着し、購入すると、本質は25年前に感じた、腕の良い靴職人が作る靴を、顧客に合わせて提供する昔ながらの英国靴の個人商店のようなスタンスがしっかり残っていました。

JohnLobbの靴の特徴に、靴を履かずに眺めた印象と、良い意味で実際に履いた印象が異なります。これは、本当に良い革を選び、手間をかけた作りの良さや普遍的な優れたデザインが生み出すものであります。

非常にオーソドックスな英国靴なので、派手さはありませんが、履いた人の装いに、上質さをプラスしてくれる本質的な品格を持ち合わせています。

今回、購入したLawryもJohnLobbの定番ラインで、非常にオーソドックスなチェルシーブーツになります。私は王道ではないスエードを選択していますが、作りもスタイルもJohnLobbであり、カジュアルに着崩しても、上質さと品格が保たれるのは、常に良いものに対して手間を惜しまず作り続けてきた長い歴史が成せる事であります。

高価な靴ですので、頻繁に購入するようなものではありませんが、身につけると、洗練された上品さがあり、優れた履き心地と、長い年月にわたり愛用出来る堅牢さから、また次の靴が欲しくなってしまいます。

スエードなので、表革の靴と比べ、手入れも楽でありますが、靴を磨いて自分のものにしていく楽しみはありません。しかし、革質の良さや作りの良さがあるので、長い年月楽しめる優れた靴であります。


Shop

今回Lawryを購入したのは、ジョンロブ丸の内店になります。

記事中に何度も書いていますが、世界最高の靴の一つであり、英国靴を代表するブランドでもあり、エルメスの資本が入っているのでお店の高級感は高く、なかなか気軽に覗くのは難しい雰囲気があります。

しかし、お店の中に入り、靴を見せて頂き、スタッフの説明を聞くと、高級ブランドのイメージより、腕の良い靴職人が作る、見た目の派手さはありませんが、履く人に寄り添い、履き心地も良く頑丈で長く利用できる、英国靴の質実剛健な世界があります。

スタッフも高級ブランドのスタッフというより、昔ながらの靴職人のような、足の形に気を払い、お客に本当に合う靴を選べるようなアドバイスをしてくれます。

ジョンロブの靴の真価は、ある程度の期間を履くことで、購入した顧客がその価値を感じとれる靴であり、その価値とは時間をかけて本当に自分の足に馴染み、他の靴では経験できないフィット感と履き心地を得ることができます。

ジョンロブの靴は、非常に作りが良く、大事に履いていけば一生履ける靴になります。私は3足のダービータイプを25年使っていますが、劣化などは感じられず、長い年月履いたことで、自分の足に馴染んでおり、スニーカーとは異なる履き心地ながら、長時間履いても疲れず非常に歩きやすい靴となっており、手放せないほど愛着があります。

ジョンロブの靴は、ベーシックながら、履くと控えめな品格があり、履く人に合った上質な靴を提供し、長年愛用出来るような体制を持っているお店であり、英国の歴史ある靴工房で英国紳士が靴を設え、長年愛用するという英国の服飾文化に近い体験をできるお店となっています。

少し敷居は高く感じるかもしれませんが、ジョンロブの哲学や歴史をしっかり踏まえ運営されている丸の内店は、本当に自身の足に合い、上質で控えめな品格のある、一生履ける靴をお探しの方におすすめです。

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