Formosaのカシミアジャケット
私が選んだジャケットは、ヴィンテージカシミアを使うことで、適度な質量と独特の柄や発色の良さを活かしています。カシミアが持つ軽さと柔らかさを活かしながら、ナポリ仕立てのジャケットの特徴である、肩、胸、袖付を工夫する事で動きやすさを重視した仕立てになっています。
生地の特徴を活かした着心地の良さを持ちながら、着用時にスッキリしたスタイリングになるように身体のフィット感のバランスを取るFormosaが得意とするモダンな仕立てとなっています。
見た目以上に、軽い事と、動きやすさが、第一の特徴で、優れた着心地の良さを活かしながら、程よく(ここが重要)身体のラインを出す構築的なフォルムでまとめています。
程よく身体のラインを出す構築的なフォルムという表現をしていますが、一言で言えば上品なシルエットといえます。この上品さが、良く表現されるナポリの仕立ての土着性と貴族性という相反した要素の貴族性の要素を表現しています。
100%カシミアなので、軽く、暖かい事があり、インナーにカシミアニットを選び、マフラーを巻けば、真冬でもコートが必要なく、非常に使い勝手が良い事で日常性が高いジャケットになります。
相性の良いもの
ナポリ仕立てのジャケットながら、肩から胸の強調やウエストシェイプは程々に抑えています。Formosaの仕立て技術の特徴に、高いゴージに合わせて、襟の曲線の作り方が独特で、ナポリらしい胸のラインに沿う襟というスタイルに、もう一手間の曲線を構築し、従来のナポリ仕立てのジャケットより開き気味の襟のラインを作っています。
このことで胸を極度に強調しないスタイリングながら、襟のラインの特徴から胸が逞しく見え、フロントボタンを開けても閉めてもシルエットが崩れません。
この独自のシルエットにより、ラフにジャケットを羽織るというスタイルにも適しています。
1954年製501XX
作りが上品なカシミアジャケットながら、ラフな着こなしにも使用出来る汎用性の高さから、1954年製の501XXと合わせて着る機会が多く、インナーもシャツではなくニットを合わせて着る事が多いです。
501XXとFormosaのジャケットを合わせた全体のシルエットは、私が所有するジャケットの中でも一番とも言えるスッキリとした綺麗なスタイリングを持っています。
Visvimのスリムフィットデニム
501XXより細いストレートであるVisvimのスリムフィットデニムとも合わせています。スニーカーを合わせるのに適していると考えて合わせてみましたが、ジャケットのシルエットに対して、ボトムが少し細く感じています。
悪くはないのですが、同じデニムでも501XXほど相性が良くないと感じています。スニーカーを合わせるのであれば、同じリーバイスの褪色が進み、ダメージの修復をしている、502の方が相性が良いのでは?と感じています。
Diorのアウターだと、Visivimの細めのボトムは相性抜群で、501XXのシルエットは太く感じ、相性が良くないと感じましたが、ナポリ仕立てのジャケットで逆の印象を持ったのは興味深い結果です。
Brioniのトラウザーズ
Fomosaのカシミアジャケットのシルエットが縦長の長方形に見える事から、合わせるトラウザーズは、テーパードがキツくなく、適度に裾幅を持たせたストレートシルエットで、細めのノープリーツのトラウザーズを組み合わせるのが、全体のシルエットを綺麗にまとめます。
現在、ノープリーツの適度な細さで、テーパードがあまりキツくないトラウザーズを探すと、意外と見つけるのが大変です。ブリオーニが、自社のジャケットとの組み合わせを考慮したトラウザーズがこの条件を満たしていますので、私はブリオーニのトラウザーズをFomosaのカシミアジャケットに合わせています。
タイドアップをする時はこのスタイルが定番になっています。シャツはFRAYかブリオーニのシャツを合わせます。
ROTAからもノープリーツのトラウザーズがリリースされていますがブリオーニより若干テーパードが効いています。ROTAのトラウザーズは、Formosaのカシミアジャケットではなく、身体のシェイプを効かせたシルエットを持つアットリーニのカシミアジャケットに合わせる事が多いです。アットリーニのカシミアジャケットとROTAの組み合わせも機会があれば紹介したいと考えています。
インナーの選択
ジャケットの柄が、茶系(グレーにも見えます)のグレンチェックに淡いブルーのウインドーペインが入っています。そのことから、シャツはサックスブルーを合わせ、暖色系の色合わせが上品にまとまるので、柔らかい発色の黄色のネクタイを合わせます。ジャケットがカシミアで質量があるので、ニットタイも相性が良く、濃いめの赤(煉瓦色)やオーソドックスな紺も合わせやすいです。
今回撮影で、ニットを合わせていますが、茶系のジャケットなので、緑色のニットを合わせています。発色の良い緑より少し燻んだ色の緑が相性が良く、私は、色味が良いTom Fordのシルクニットを合わせています。
靴の選択
501XXに合わせる靴は、マリーニの茶のダービーを合わせています。John Lobbのバロスを合わせても良いのですが、マリーニのイタリア的なシェイプを持つ力の抜けたダービーの方がよりFomosaのカシミアジャケットと合います。
ブリオーニのトラウザーズに合わせる靴は、同じくマリーニの黒のセミブローグのオックスフォードを合わせています。こちらも、ダービー同様イタリア的なシェイプがブリオーニのトラウザーズとFormosaのカシミアジャケットと好相性です。
時計の選択
これまで、記事で革ベルトのドレスウォッチを紹介していませんでしたが、ジャケットやスーツには、革ベルトの時計が相性が良いので、所有しているランゲアンドゾーネのリヒャルトランゲを合わせています。
リヒャルトランゲは、オメガのシーマスター同様、家内とペアで購入しています。家内と出かける時にする時計ですが、日常的にする時計ではありませんので記事にしていませんでした。
家内がピンクゴールドを選び、私はプラチナを選んでいます。時計のサイズが同じなので、私はプラチナだけでなく、たまに家内のピンクゴールドを借りて身につけることがあります。
ランゲの時計は高価ですが、高級時計というより高性能な時計(性能だけでなく作りや設計思想など)であり、私が好む様々な要素が詰まっています。機会があれば記事にまとめて紹介したいと思っています。
古着を活用
私のカシミアジャケットは、ビスポークで仕立てたものではなく、古着で手に入れた個体になります。一時は日本でもトランクショーの展開がありましたが、現在日本でのトランクショーは無く、Formosaでカシミアジャケットを仕立てたい場合、ナポリのキアイアの工房に出向き、オーダーする必要があります。
古着なので、厳密に私の身体にフィットしているわけではありませんが、前オーナーさんの体型が私に近いため、直しも入れずそのまま着ています。(袖丈が少し長く感じますが、秋冬に着るので防寒的にちょうど良いです。)
古着ながら、前オーナーさんのこだわりやセンスの良さが感じられる個体で、特筆すべきは、生地選択の良さがあります。Formosaの得意な技術を熟知した方で、軽く程よい打ち込みのカシミア生地で仕立てた事で、Formosaの仕立ての特徴を活かし、軽やかな着心地と、全ての所作を許容する緻密な仕立て、少し長めで、すっきりしたシルエットと、ビスポークでジャケットを作るならこう作るという手本のような個体です。
価格も高価で、イタリアまで出向いてオーダーする必要があるので、なかなか実現出来ませんが、いずれは私もFormosaでビスポークをしてみたいと感じる素晴らしい個体になります。
購入したお店については記事最後にまとめています。
